カクヨムに来てから、中世ヨーロッパ風異世界を書くことが多くなった私。
しかーし! 外国語の名前を覚えるのが苦手な私は、高校時代世界史のテストではいつも30点代という劣等生。
「中世ヨーロッパ? 何着てたの? 何食べてたの? どんな家に住んでたの? 身分制度は?」などとひぃひぃ言いながら、本やネットを漁ったりAIに調べてもらったりして、何とかそれっぽいといえなくもないかもしれないものを絞り出す日々(調べ物は好きなのでそれはそれで楽しいのですが)。
そんななか出逢ったのがこちらのエッセイです。
筆者様が通暁していらっしゃる中世イタリアについて、衣食住はもちろん恋愛や結婚事情、名前や名字、病気まで、多岐にわたるテーマが語られています。
と書くと、「専門的すぎて難しいのでは……?」なんて身構えてしまう方もいらっしゃるかもしれませんが、心配ご無用。明快な文章や上品なユーモア、さらには近況ノートの素敵でわかりやすいイラストによって、読み物としても無類に面白い資料となっているのです。
現代人とは全く異なる常識や感覚に驚いたり物申したくなったり、時を経ても変わらない人間の本質にクスリとしたり共感したり……。ぼんやりとイメージすることしかできなかった中世ヨーロッパのひとびとが、ぐっと身近に感じられることでしょう。
中世ヨーロッパ風異世界を書かれる方なら必読の、そうでなくても中世ヨーロッパに興味のある方になら自信をもっておすすめできる、広くて深い資料エッセイです!
雑学というにはもったいないほどの内容の濃さです。最初に読んだとき「これを無料で読んでいいのか」と思ったほど、その枝葉末節の充実ぶりに驚きました。
「中世ヨーロッパ」はよく創作の舞台にも登場しますが、そういう作品を目指す方にはぜひ読んで頂きたいです。宝箱のようなヒント集です。
また、歴史・社会学の本としても非常に興味深いです。その当時の人々の暮らしぶり、風俗、考え方なども知ることができます。
とはいえ堅苦しい学術文献風ではなく、初心者にもとても入りやすく、親しみやすい文章。テーマが章ごとに分かれているのも読みやすいです。
中世イタリアのことならお任せの本作、知的好奇心を存分に満たしてくれることと思います。