概要
※小説家になろう様にも掲載中。
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- ★★★ Excellent!!!ヨークシャーの豊かな自然にて、女家庭教師は運命と再会する
職を失って一人ロンドンの街を彷徨っていた女家庭教師・ロビン。魅力的な若き紳士・フレデリックが現れて、傷ついた彼女をヨークシャーの地へと連れ出していく――
ヴィクトリア朝イギリスの時代の空気感たっぷりの作風が非常に魅力的でした。家庭教師としてて働かなければならない女性たちの苦悩やロンドンの冷たい現実もあれば、自然豊かで情緒溢れるヨークシャーの風まで、美しく描写されていました。淑女としての振る舞いや屋敷で立ち働く執事やメイドたちまで、生き生きとしています。
主人公であるロビンは、生真面目で善良な働く女性であり、しかし心に傷を抱えて縮こまって固まっています。そんな彼女をヨークシャーの美しい自然…続きを読む - ★★★ Excellent!!!傷ついた駒鳥を救ったのは、ヨークシャーの大地と、それから──
女性が働くことを良しとしない世の中で、それでも一人で生きなければならない孤独と困難はいかほどだろうか。
冒頭から主人公ロビンの置かれた境遇と、疲弊してすり減った心の痛みが伝わってくる。しかしそんな彼女に若い貴族であるフレデリックが手を差し伸べたことから、運命の歯車が回り始める。
キャンバスを彩るような美しい文章で描かれるヨークシャーの四季折々の景色。そこに暮らす人々との交流。都会で傷ついた羽が癒されるように、ロビンの頑なな心が解きほぐされていく過程が優しい筆致で細やかに綴られる。そして雇用主であるフレデリックとの近づいては離れそうな恋の行方も目が離せない。
人生はままならない。それでも自分の…続きを読む - ★★★ Excellent!!!世界も構成も文章も、ひたすら美しさが光る物語
英国ヴィクトリア朝の後期を舞台にした物語。
ストーリー構成、世界観、文章力、どれもとてもレベルが高いです。
ヴィクトリア朝の時代背景も個人的に元々好みの中、それがストーリーを引き立たせるように要素要素で、魅せられて、ヨークシャーの大地へ読んでいる間に憧れが増しました。
文章も、読んでいてスッと胸に入り込むような文体で、とても心地よいものです。
主人公ロビンの疲弊した心が少しずつ変化する様がゆっくりと沁み、彼女の一喜一憂する様に共に気持ちがのせられます。
彼女の人生には困難が付きまといますが、ロビンに手を差し伸べた謎の男性との出会いから、最後に行き着く結末の流れがとても秀逸で、気持ちが洗…続きを読む - ★★★ Excellent!!!孤独な駒鳥の帰る場所
季節の花々の香りが風に舞う、ヨークシャーのお屋敷。ヴィクトリア朝、ガヴァネスが街に溢れ決して恵まれていなかった時代。心に傷を負った孤独なロビンを迎えたのは、すべてに恵まれているような貴族の青年。2人のぎこちなくも優しい距離感、本心を明かさない奥手な空気がもどかしくも微笑ましいです。
貴族のフレデリックさんも、ただ慈善事業で彼女を受け入れたわけでなく、切ない記憶があって……。
マザー・グースの駒鳥のように、お葬式ではあるけれど参列者がいるということはそれだけ愛されていたんだよ、あなたも愛されているんだよ、とロビンさんに伝えたくなります。
読みながら、若い緑の爽やかな空気を感じます。…続きを読む - ★★★ Excellent!!!疲れ切った女家庭教師、そして彼女に手を差し伸べた紳士の数奇な癒しの物語
主人公、ロビン。
彼女は女家庭教師として身を立てていましたが、家庭にも恵まれず頼る相手もおらず、それから仕事も失い、追い詰められて疲れ切ったひとりの女性です。
この時代に仕事を持って働いているだけでじゅうぶんすごいと思いますが、彼女はその恵まれない境遇からか、すっかり自信を失っており、仕事もなかなか見つからず卑屈になっています。
そんな時に容姿端麗で身分もあるひとりの男性、フレデリックが手を差し伸べてくれます。ロビンに仕事をくれるというのです。
ロビンは彼の領地、ヨークシャーへ。
フレデリックは子供がいないにも関わらず、ロビンが教えるための子供を探してきてくれます。
え、なんで? と思…続きを読む