何気ない自撮り写真に、いるはずのない女性が写っている――。しかも一枚だけではなく、三年間の写真すべてに同じ姿で……という展開が実に怖いです。「たまたま写り込んだだけ」と説明できそうな要素を一つずつ潰していくことで、最後には逃げ場のない恐怖に変わっていく。短いからこそ余計な説明がなく、読後に写真の端を確認したくなるような、不気味な一作でした。
このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(187文字)
「誰もいなかった」はずの展望台に、三年間ずっと同じ女がいた。しかも怖いのは、写真に写っていること以上に、「私」が彼女を一度も認識していないことです。赤いサイクルジャージ、同じ位置、同じ無表情――偶然で説明できそうな材料を一つずつ並べながら、最後に記憶そのものを揺さぶってくる構成が秀逸。写真を削除した瞬間、証拠まで消えてしまう後味も不気味で、短いからこそ恐怖が凝縮された怪談です。
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