公爵令嬢ディアーヌの楽しみ、それは異世界ニッポンで美味しいものを食べて美味しいお酒を飲んでゆったりとした時を過ごすこと。
ニッポンのいろいろな街に行き、そこにあるお店に飛び込んで、人々と過ごす。特別な能力があるわけでも、派手なイベントが起こるわけでもない。あるのは、美味しい食事と温かな会話、ただそれだけ。
でも、その暖かな時間は彼女の宝物。そして、彼女の周りにいる人達も彼女に惹かれ、影響を受けていく。
それは決して上からの強引な変革ではない。異なる文化を柔軟に受け入れ、自らのものとして取り込んでいく、ある意味節操のないニッポンの文化。
それがやがて王都の食を変え、流通を変え、人々の暮らしを変えていく。
美味しそうな飯テロ描写と何気ない会話にほっこりと心温まり、そして少しだけ考えさせてくれる、そんな温かい物語をお探しの方、ぜひご一読ください。
社交界の華であり、国政の頭脳とも称される完璧すぎる公爵令嬢・ディアーヌ様。
しかし彼女の本当の素顔は――日々の重圧から解放され、日本の居酒屋で昼から呑み歩く「生粋の呑兵衛&健啖家」だった!
とにかく主人公・ディアーヌ様のギャップが最高です。
外では優雅に微笑み敵すらも骨抜きにする彼女が、自室に戻った途端「いや、実際しんどいわ……!」とベッドに倒れ込む導入のスピード感と人間味に、一瞬で心を掴まれました。
そして何より素晴らしいのが「呑み歩き・グルメ描写」の圧倒的なリアリティとセンス!
千代田区の渋い魚定食屋で、金目鯛の西京焼きやフィッシュマサラを肴に、中瓶ビールから山口の銘酒「雁木 LIGHT」、さらにはスパイスに合わせる「讃岐くらうでぃ」へと繋ぐお酒のチョイス……! 「お酒、なくなっちゃった。」とぽつり呟いてご飯をおかわりする姿には、作中の客や女将さん同様、思わずキュンとさせられます。
ただ食べるだけでなく、隣の客の頼んだ「かき揚げ」に目をつけて「また来れば良い、楽しみが残っているのは素敵なこと」と満たされた顔で店を後にする男前な粋さも魅力的です。
完璧な令嬢が見せる幸せいっぱいの食べ呑みっぷりに、読んでいるこちらまでお腹が空き、心地よい多幸感に包まれます。
仕事や日々の疲れを癒やしたいすべての人に、心からオススメしたい傑作グルメコメディです! 次の飲み歩きが今から楽しみでたまりません!