こういうことを書くと、
また「作品の宣伝ですか」と思われそうだが、
まあ……そういう面もある。
最近、イーロン・マスクに関するニュースを目にした。
正直なところ、驚きはなかった。
心に浮かんだのは、
「……ああ、来たな」
という一言だった。
それは、
「ほら、作品『次は、桜』の中で書いていたでしょう」
という種類の感情より、
どちらかと言えば、
「やっぱり、向き合わざるを得ない段階に入ったんだな」
という感覚に近い。
多くのことは、構想やビジョンの段階ではとても美しく見える。
けれど、ある時点を越えると、
距離やコスト、責任、
そして失敗したときにどうするのか。
そういう現実的な問題が前に出てくる。
未来がどうなるのかは、誰にも分からない。
ただ、こうした話題に触れるたび、
せめてもう少し真摯(しんし)に扱われてほしいと、
思ってしまう。
株価の話だけで終わったり、
「格好いい工場を建てる」といったイメージだけが先行したり、
そういう方向に流れてほしくない。
中には、
「最初に火星へ行く人間は、帰れない覚悟を持つべきだ」
といった言葉もある。
正直に言えば、
それを聞いたときに感じたのはロマンではなく、
「……それで、誰が行くんだろう?」
という疑問だった。
挑戦すること自体は大切だと思う。
でも、「なぜ人が行こうと思えるのか」、
そこが語られないままなら、
多くの言葉は、まだスローガンの域を出ていないように感じる。
最近のニュースをきっかけに、
そんなことを考えた。
ただ、それだけの話だ。
本当に、
もう少しだけ、真摯であってほしいと思う。