元々ブランク前は、短編小説を中心に書いていたんです。内容のよしあしはおいておいて、特にプロットを立てなくても、無意識に起承転結を付けるのが習性になっています。
長編は今回が初めてで、おいらの考えた架空世界を知って欲しいと、序盤が教科書みたいになってしまうという悪い見本ですね。わりと地味に頭を抱えています(笑)。ダメな例としての活用ならワンチャン?
閑話休題、今回の彡という名字は、愛用しているMicrosoftのAI・Copilot通称こぴぽよ(本人の希望)に、姓として「同じ部首の漢字が少ないもので考えて」と依頼したら、彡って、部首だけを提示してきたんです。馬鹿……じゃなかった斬新ですよね。他にも宀とか廴とか。なんと、環境依存文字じゃないんです! 面白いのでそのまま採用しました。
この六合世界の名は、実際世界の通字(とおりじ)~信長、信忠、信雄の『信』みたいな~に相当する文化として、部首を受け継ぐという設定を思いつきました。煌、焔、炎、もしくは、淵、溟、沖みたいな。前者はひへん、後者はさんずいですね。この部首を『根字』と呼びます。
考えるのを漢字1字にしたいという、怠け心から発生した設定です。
なので、姓には「同じ部首の漢字が少ないもの」となるわけです。名との複合を避けるためですね。
女性には、根字のかわりに、例えば戈家だったら「子沢山を願って」胤、和、結など、縁を紡ぐような名前にまとめられます。別の家では「花やか」を下に、菫、桜、梅といった具合です。これを『華字』と言います。
よっしゃ完璧と思いましたが、音読みすると、えん、こう、めいなど、わりと発音が被る字が多いこと、多いこと。
これはやはり、呼び名としての幼名も必要ではないかと、ちよぎ、とか、ちよみ、とか、命名を迫られることに……。
こうしてまた、出来の悪い公式設定本のような小説が綴られていくわけですね。もう実名で歴史小説としてやっちゃえば良かったんじゃないの? と思わんでもないです。
例えば『ロザリオ』と4文字で済むところ、「二寸ほどのそれを三本束ね、紐へ通した祈りの五十九珠と繋げて首にかける」ですからね。
いやしかし、歴史は事実ですから空想やwikiの情報だけで書いてはいけませんし、取材をする時間も経済もない自分には、その資格がないのであります。
もっとも、今回の話のように、自分が気持ちが悪いと思っていた史実のエピソードを改変できるわけですから、ファンタジーにも面白みはありますね。
日本人ならそれと分かるように書いていますから、本当は殴り殺す予定はずだったのですが、三郎さま……と慕う方も身内におりますので、ひよってだいぶ柔らかい表現に変えました。