• ホラー
  • 異世界ファンタジー

序章の改稿を終えて

大幅に加筆修正しました序章・環編。

大八洲の歴史に照らせば、西暦1,582年4月3日、武田氏が滅亡した天目山の戦いの当日に当たります。

本来ならば武田勝頼一行は、小山田信茂の岩殿城へ落ち延びる手筈だったのですが、小山田は突如として心変わりし、国境を封鎖、鉄砲を向けたとされます。

この小山田信茂の娘にあたるのが香具姫ですが、Wikiで調べたら『養女』となっていて、えー?と思ったのです。

試しにGeminiでディープサーチをかけてみたら、父親は教来石左近大夫と。え、誰?

《この教来石氏は『不死身の鬼美濃』馬場信春の出身地で、馬場信春の元の名は教来石景政。これに関しては確かなソースあり》

この教来石左近大夫が長篠で戦死し、母が小山田信茂の娘だったため、香具姫は祖父の小山田信茂の養子になった……なるほど。

なんせソースがAIなので学術的には噴飯ものかもしれませんが、面白いからこれでいこうと思いました。

香具姫というのがまた驚異の人でして、95歳で亡くなったとされますが、自分の推測では98歳。さらに内藤忠興の側室になった時、40代……忠興の方が17歳若く、美魔女が過ぎます。

嫡子のいなかった内藤忠興に、待望の男子を3人も授け、娘も1人おりますので、最低でも4人産んでいます。最後の出産は51歳です。美魔女がやばいです。

まあ普通に考えれば、女子に関する資料などほぼ残されておりませんので、たんに娘がいてそれと混同していると思われますが……

馬鹿か! 不死身の鬼美濃の一族だぞ? 51歳で出産するとか普通だろ。パワー。

この地味ーだけど譜代の内藤家が、島流し先の伊豆大島から赦免されて江戸へ戻った武田信正という63歳のおじさんを娘の婿に迎えます。

武田信正は、武田信玄の次男の孫で、おそらく唯一の男系の子孫。すなわち武田の嫡流ですが、もう滅亡している&前科者(謀略でしょうが)なわけですから、内藤家にとってメリットないんですよね。しかも内藤藩はいわき市ですから、江戸からも離れています。武田大好きの徳川本家も、わざわざ「じゃあ内藤さん、面倒みてあげてください」とは、ならないと思います。

武田信正の妻となったのが、香具姫の実の娘(最低でも当時39歳)とされます。おやおや。これ、香具姫の働きかけが、透けて見えてこないですか。息子は3人とも自分の子ですし、発言力も相当あったと思います。

すると、大名としての武田を滅ぼした小山田信茂ですが、その孫娘の香具姫が、武田を歴史の闇から再び名家に救いあげたことになります。

途中、柳沢家の養子が入って信玄の血は絶えたらしいですが、現在の武田家第36代当主英信氏は、この家系となるはずです。

香具姫は、武田信玄の末娘・信松尼の傍に仕え、最期も看取ったと思われます。その忠義ゆえ、と考えるのは浪漫に過ぎるでしょうか。

裏切者の一族の負い目もあったでしょうが、それでもなお松姫の片腕として八王子での活動を共にしたならば、或いは忠義というよりも友情に近いのかもしれません。

その時代の人間が必死に生きた痕跡が透けて見えた時、自分は歴史に醍醐味を感じます。

環編の主人公であるたまきは、この香具姫(天光院殿)をモデルにして創作させていただきました。

コメント

コメントの投稿にはユーザー登録(無料)が必要です。もしくは、ログイン
投稿する