• 異世界ファンタジー

第3話 オシコン(Ossicone)

 獣人の頭の上にあるのは耳ではなく角の一種である「角耳」としました。何故なら耳が上にあった場合、顎関節も上に来るので「口裂け人間」になるからです。「可愛ければ解剖学的な矛盾は知らん!」とは割り切れませんでした。オシコンはラテン語「骨+角」由来で、獣人の翻訳名としても採用しています。

 軟骨が頭の上に伸びる構造も微妙ではあるのですが、耳が上にあったり四つあったりするよりは、遥かに説得力があると思っております。産毛のような滑らかな細毛が生える場所を増やすための軟骨です。【探知】に関連した角耳の存在意義は、第29話そして第58話で橘花くんが推測します。

 尚、橘花くんに「キリンの角であるオシコンに似ている」と語らせていますが、オシコンは成体では骨化するので、軟骨のままという設定の角耳とは異なります。棒状のオシコンに対して板状の角耳というところも違います。しかし皮膚に覆われて毛が生えるというところは同じです。

参考:哺乳類の角の種類
・枝角(鹿):頭蓋骨とは独立して伸びる骨質。独立しているので毎年、抜け落ちて生え変わる。
・洞角(牛):頭蓋骨の骨が芯となり角質の鞘で覆われる。生涯伸び続け、生え変わることはない。
・枝角と洞角の組合せ(プロングホーン):頭蓋骨から伸びる骨が芯となるが、鞘の部分だけが毎年、抜け落ちる。
・中実角(犀):全て角質で出来ている。蹄や嘴と同じ。
・オシコン(キリン):皮膚と毛で覆われた軟骨の突起が、成長と共に伸びて骨化していく。

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