肉鎧について、皆さんはどのようなイメージをお持ちでしょうか。
私の中では、肉鎧といえば
「なんかオークとオーガが女性抱えたごっつやばい奴!」
というイメージが真っ先に浮かんでしまったのですが、世間とはどうも違うようで。
肉鎧とは何か、を簡単に整理してみました。
『肉鎧』はまず大きく2つに分けることができます。
1つ目は、筋肉で全身を覆い隠し、鎧のようにして戦う戦士、魔物、スキル。この辺りを『肉鎧』と称することがあります。
鬼滅の刃では、無惨が最後、体の肉を膨らませて太陽光から身を守っていましたね。あのクソデカ赤ちゃんみたいなやべーやつ。北斗の拳では言えば、ハート様のぶにぶにのお肉も、肉鎧の一つでしょう。
2つ目は、生きた人間を盾にする『肉、人間の盾』の一種です。今回の私の小説では、こちらを主に扱っています。
『肉の盾』の歴史は、非常に古く1000年以上も前から記録に残っています。人質を壁に貼り付けたり、捕虜を攻城塔に縛り付けたり。
悲しいことに、近現代戦では規模が大きくなりました。
お互いの捕虜を都市に置き合って砲撃を避けるようにしたり、移動する列車に捕虜を敢えて設置したり、戦車の前に置いたり、攻撃が予想される土地に敢えて敵国の民間人を引っ越しさせたり。現在進行中のウクライナでも似たような事案は発生しているとのこと。
国際法はもちろん1949年に明確に禁止をしています。
創作においての肉の盾は、独自の進化を遂げました。
2010年代頃からは、ゴブリンやオーガを敵役とした世界観が流行り始め、『女性を捕えて繁殖に用いたり、辱めを受けさせたりする』描写が増えてきます。
有名なのは『ゴブリンスレイヤー』の肉の盾。ゴブリン達が生きた女性を木の盾に全裸で張り付けているシーンです。両手首を高く吊り、股下は開くように固定された何人もの女性が、晒されるように木の板に拘束されていました。
「冒険者共は、これを掲げると途端に魔法や弓矢が打てなくなる」は、その意図を明確に示しています。
同時にこの頃に
「くっ殺!」が定着し始めた、と私は考えています。
女騎士とオークの激しい戦い。
負けてしまった女騎士。
「辱めを受けるくらいなら、殺せっ!」と言っても、素直に応じてくれるわけもなく。というのはあまりにも完成されたテンプレで、オークやオーガが様々な手を用いて女性を辱めていました。
で。
この『肉の盾』、と『くっ殺文化』が融合されて、今の『肉の鎧』の礎が出来たのではないのか、と私は仮説を立てています。オークやオーガは体が大きいことがその特徴でした。盾にするのではなく、その身にそのまま女性の身体を張り付けてしまうことで、拘束し、辱めつつ、相手の戦闘意欲を削ぐ効果を生み出すことができます。
様々な成人ゲームや同人ゲームではこのシーンが描かれ、一つのニッチな文化として確立されてきました。
ちなみに私が調査した結果、最古の肉鎧は……1966年の眠狂四郎です。女性の裸を体に張り付けて戦う剣客が敵役として登場していました。日本小説にもやはりあったのですね。
「一糸まとわぬ裸女を、おのが身にぴったりと吸い付かせていたのである。背負うているならまだしも、胸へ胸を、腹へ腹を、ぴったりと密着させ、上肢を頸に巻き付かせ、下肢を大きく拡げさせて、その身を挟ませているのであった」
柴田錬三郎『眠狂四郎孤剣五十三次』
向かい合って、抱きかかえる形でしょうか。
これで切り合うんでしょ?
た、戦いにくそう……。
本作『不完全TS転生した僕は~』では、女性だけが魔力を使える世界。リザードが魔力を吸い取りながら自身を強化し戦うという設定にしています。
山場はもう少し先ですので、お時間ある時にごゆるりと遊びに来ていただければ嬉しいです。
本作の肉鎧のイメージが伝わるよう「落陽の魔女」を作成してみました。
極力、安全になるよう生成していますが、気になる方は今のうちお戻りください。