近ごろ、執筆のリズムを見直そうと思い、いくつかの作家さんの作品を読んでみました。すると――思いがけず、不思議な評価をいただくことになりまして……。
学生時代の専攻は確かに文章に関わるものでしたが、今の本業はむしろ真逆の性質の仕事です。共通点といえば、どちらも緻密な論理を要するところくらいでしょうか。人から見れば「どうしてそうなったの?」と思われるような転身かもしれませんが……本当に、人生のめぐり合わせというのは不思議なものですね。
書評の細かさについては、ある意味で私自身のこだわりかもしれません。
私は、書評とは単に感想を述べるだけのものではなく、「読んだ内容に責任を持つ」行為でもあると思っています。「あなたの物語を読みました」というだけでなく、「読者がどれほど物語を理解したか」を伝えることが、大切なのではないかと。
もちろん、そうした書評を書くのはとても時間がかかりますし、頻繁にはできません。それでも、無数の物語の海のなかで、たとえ一度でも相手に何かしらの言葉を残せたなら――それだけで、もう十分に大きな支えになるのだと思います。
異なる物語から他の人の思考や旅路を受け取ることは、とても意義のあることだと感じます。
時間はかかるかもしれませんが、私自身の旅路も、いつか最初に見えたあの終着点へ向かって、少しずつ、着実に歩んでいけたらと思っています。