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  • 異世界ファンタジー

スイーツ図鑑:62話

地點:北荒・アザール・オアシス

【ニショルダ Nisholda】

とろりと粘度があり、見た目はクリームのような白い砂糖霜。

非常に甘く、滋養強壮によい少量の香草が加えられている。

各地を行き交うサルガドン商人たちに特に好まれている甘味。

一部の屋台では、煮詰めながら糸を引かせる工程を見世物にして客を呼び込む。


【ゼント Zhent】

ウルクイ南部で名高い特産の焼き菓子。

粟粉にバターと砂糖を混ぜて作られ、当初は腹持ちをよくする携帯用の乾糧だった。

ウルクイの発展と豊かさに伴い、製法や材料は次第に洗練されていった。

伝統的な作り方に加え、新鮮なドライフルーツや牛乳、蜂蜜をたっぷり使うこともある。


【パルバルダ Parvarda】

モトナヴォ帝国時代に始まり、ウルクイに受け継がれてきた祝祭用の菓子。

何度も引き延ばされた白い砂糖菓子は、きめ細かく、口に入れるとすっと溶ける。

祭礼や祝祭では、色とりどりの砂糖粉をまぶして供される。

モトナヴォ帝国の建国王が好んだ菓子とも言われ、ウルクイ王室もその甘味嗜好を受け継いでいる。


【シルグルチ Shirguruch】

柔らかく煮込んだ米粥に、蜂蜜とバターを加えた料理。

味のアレンジが自由で、朝食にも点心にも向いている。

ブエンビとメルバノの衝突のせいで、リフはその日のアフタヌーンティーを逃してしまった。

だが翌朝、空港でしっかりと埋め合わせができた。

2件のコメント

  • おー、どれもこれも美味しそう。
     個人的にはバルバルダがいいですね。旅先に持って行って、糖分補充に役立ちそうです。

     って、ロシーさん、これ、中央アジアのほんとにある食べ物だとおもてましたが、もしかして創作? 作中の国々のお菓子をロシーさんが考えて作ってるんですか?
     もう何が本物なのかわかりませーんってw
  • これらのスイーツの外見や名称は、確かに現実世界に由来しています。ただし、登場させる際には、その土地や文脈を一つひとつ分析し、世界観の中に自然に溶け込むよう意識しています。

    スイーツの紹介や、それに付随する小さなエピソードも、世界観を広げるための要素のひとつですね。そうした積み重ねが、現実と創作が混ざり合っているように感じられた理由かもしれません。

    とはいえ、使用している材料自体は、基本的には現実と同じ系統のものです。個人的にはParvardaもおすすめです。かつてシルクロードを通じて流通し、地域や国ごとに少しずつ形を変えながら親しまれてきた、とても魅力的な甘味ですね。今後、似たようなものも登場する予定です。
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