岩上翠

東京近郊、『M』市。 山際の地方都市で、久遠と鷲尾、三十代の男ふたりが再会する。 高校時代に恋人同士だった二人は、今は市職員と解体業者。 十年前から跋扈する『怪異』を解体するため…

「シマーズ・サツマ、ただ今をもって、君との婚約を破棄する！」 「――！」 　国中の貴族が集う煌びやかな夜会の最中。 　サツマ公爵家の令嬢であるシマーズは、婚約者のデズモンドから…

「じ、実は私――ずっと理駆（りく）くんのことが好きだったのッ！」 「――！」 　とある放課後の校舎裏。 　俺は親友である宙（そら）の妹の、羽美（うみ）ちゃんから告白された。 　…

「千夏、ただ今をもって、お前との婚約を破棄する！」 「――！！」 アラサーOLである千夏は、会社の創立３０周年パーティーの最中に、婚約者であり会社の御曹司でもある恭司から、婚約…

「お、小田（おだ）くん、これ、新作の原稿です。……読んでもらえるかな？」 「うん、拝見します」 斜めに陽が差す放課後の図書室。 そこで僕は、クラスメイトの花岡（はなおか）さんから…

４０、無職、妻子なし、家族付き合いなし、社会保障制度で食いつなぐ日々。 安楽死法施行で利用を決意。 安楽死カプセルの中、安らかな死を迎えるおじさん。 昇天直前に世界は変わった。Ａ…

貴族学園に通うシャーロットは、毎朝婚約者であるデニスから、「君は今日も綺麗だね」と褒められている。 実際シャーロットは学園一の美貌の持ち主なので、綺麗なものに目がないデニスがそう…

大日本帝国の大翔時代。 父と婚約者という後ろ盾を一気に亡くした、伯爵令嬢の涼音は、そのショックから笑えなくなり。 義母と義妹から下女に落とされ、『すずめ』と呼ばれて虐げられていた…

「……実は、僕はベラのことが好きになってしまったんだ」 「――！」 　伯爵令嬢のエイミーは、婚約者であるヒューゴーからそう告げられた。 「私が悪いのエイミーッ！！　最初にヒュ…

彼女の名前はサマミ。そして、彼氏の名前はダリオ。ごく普通の二人はごく普通の恋をし、ごく普通の恋人になりました。でも、ただ一つ違っていたのは……彼女は魔女だったのです。しかも重度の…

自戒を込めて、ウェブ小説で目につく誤字・誤用を中心に、よくある間違いや定着しつつある（本来は間違った)表現など、気になる言葉を取り上げる。 ※小説家になろうにも投稿しています。

高校時代の親友「瀬里」から届いた結婚式の招待状。「私」は地元へと向かう新幹線の中で高校時代の記憶を遡る。

僕はクラスメイトの花守（はなもり）さんに、淡い恋心を抱いている。 だがヘタレな僕は、告白する勇気を出せないまま毎日を過ごしていた。 ――そんなある日、学校の校門を出たところで、花…

酷い頭痛で目を覚ますと、目の前に驚くほどのイケメンが！ そして不思議なことに、わたしは「エミリー」と呼ばれている。 これってまさか、乙女ゲームの世界に転生したの!? 喜んだのも束…

自作の話や読んだ本の話とかちょこちょこしていけたらと思います。 noteの転載もあります。

ヴィクトリア・ザイフリートは【武神令嬢（ヴァルキュリア）】の二つ名を持つ、騎士家系に生まれた令嬢。 女性ながらに王立騎士団第三部隊の隊長を務めるほどの腕を持つ、稀代の魔法剣士であ…

　私、白石美琴は、術式が使えなかった。 　莫大な呪力を持つが、現代では重要な術式が使えない。 　そのせいで、家族や姉から「外れ者」と呼ばれ、疎まれ、居場所を失っていた。 　ついに…

近畿地方のある場所にまつわる怪談を集めるうちに、恐ろしい事実が浮かび上がってきました。

「主人公にこの帽子被せたいんだけど、名前なんだっけ!?」 「異世界ファンタジーあるあるのあの建物なんだっけ!?」 これはそんな物書きの、物の名前を知るために四苦八苦するエッセイ…

会社員をしながらイラストレーターの夢を追いかけていた明里(あかり)は、或る日異世界に転移してしまう。元の世界に帰るまで毎日絵を描いて暮らす明里と、毎週末その絵を取りにくる魔術団長…

東京都目黒区にあるマンション「メゾン・クレプスクルム」は 有名なホラースポットのひとつ。 ＪＲ目黒駅から徒歩三分という好立地。 それなのに家賃は月１００円から５千円の部屋が多い。…

木崎穂花（きざきほのか）とまもりは姉妹だ。 ある日、前触れもなく異世界に喚ばれてしまった。 大量の魔素で人類が衰退した世界。人々は深刻な食糧不足に陥っていた。 料理によって人々を…

テンプレ！チート！ハーレム！神様！転生！異能！異世界！山のような地雷と、一握りの宝石！なんなんだこの魔境はぁ？ こんな低俗なの、もう存在がダメだろう？違うのか？ 全く、一体なんだ…

　カクヨム君に怒られない程度の性癖の話をします。全年齢です。 　ジャンルがここでいいかはわかりません。

聖女を召喚しなければ、この王国を救えない――。 王子である私は、聖女を召喚する場に立ち会うことになった。 先代聖女が作ったこの翻訳魔道具があれば、聖女との意思疎通ができるだろう…

王妃ミナーヴァ。アエテルヌム王国に誰でも通える職人学校を創立したとして、人口に膾炙する。 その陰には、デウオティオ侯爵夫人シンシアの尽力があったと伝えられている。 今回、シンシ…

今や観光都市として、世界各国から観光客がやって来る京都。 両親は兄にばかり贔屓し、冷遇された雪子は祖母に引き取られるもの、そのトラウマから他人からの愛情を素直に受け取ることができ…

ユリアーナは３歳の時にそれまで一人で育ててくれていた母を亡くした。その場にいたホフマン公爵が親切にも養子にしてくれたのだ。そこには４人の兄と姉がいて世間でよくあるようにそれからは…

　レストラン「海の星」。料理の腕は抜群のオーナーシェフ、ちょっと口の悪いパティシエ。そして、つまずきながらも日々経験を積んで仕事に向き合おうとしている接客係。 　「海の星」を訪れ…

仕事に忙殺された３Dデザイナーの穂村(38)はある日、上司に怠慢と言われ、「それまでの会社への貢献とはなんだったのか？」「田舎とかでゆっくり暮らしたいな」と思うようになる。 そん…

田舎から出てきた私・シンシアは、結婚相手を探すために王都の夜会に参加していました。 そんな中、突如として行われた王女殿下による婚約破棄。 婚約破棄をつきつけられた公爵令息テオドー…

（以下のあらすじには結末を含みます：1200字） 異母妹に婚約者と子爵家次期当主の地位を奪われた挙句に、修道院送りにされた元令嬢のシスター・エルダ。孤児たちを育てて幸せに暮らし…

「婚約者がいますので」 面倒よけのための、ていのいい最強の断り文句。 形式上の婚約者である二人は、そのことをよくわかった上で、婚約者がいない場においてその言葉を使い続けていた。…

伯爵令嬢のクラリスは、婚約者のネイサンを支えるため、幼い頃から血の滲むような努力を重ねてきた。社交はもちろん、本来ならしなくても良い執務の補佐まで。 ネイサンは跡継ぎとして期待さ…

「結婚願望がない」という理由で、魔法管理局長官アルベルトの秘書に採用された平民のリズ。アルベルトに密かな恋心を抱きながらも、住む世界が違うのだと気持ちを抑えて業務にいそしんでいた…

二つの敵対する国があった。 魔道具を取り入れ、民達の生活の向上に重きを置く西マギーア。 魔力を重んじ、魔道具を邪道とする東マギーア。 この二つの国はかつてマギーア王国という一つの…

お兄様は女王陛下からいただいた指輪を、ずっと大切にしている。 きっと苦しい片恋をなさっているお兄様。 私はただ、お兄様の家に引き取られただけの存在。血の繋がってない妹。 だから、…

貴族が栄華を誇る時代。貴族の娘、芦原時子(あしわらのときこ)はある夜鬼と出会う。話をすると、どうやら鬼は陰陽道に詳しいようだ。 そこで時子は鬼に頼む。父親の病の原因を突き止めてく…

「わたくし、フィデリオ様に頼まれたの！　さあ皆さん！　『偽物の聖女』をここから追い出してちょうだい！」 「「「はい！せいじょさまーー」」」 待って、ウソでしょ？ 領主フィデ…

没落しかけたファビエ伯爵家を救ってくれたのは、冷徹と評されるノア・フォン・レヴィストロース公爵だった。 見返りに求めたのはファビエ家の一人娘である私、ジョゼとの結婚。 実は以前…

――春になれば、あなたに逢えるの。 春になると、葉(よう)の元を5歳上の幼馴染みである美散(みちる)が訪れる。東京で働く美散は葉にとってあこがれの存在だ。今年も美散は唐突にやって…

高校生の私が好きになったのは国語教師の五十嵐先生。 ある日の放課後、職員室にいる五十嵐先生を訪ねると……。

霊魔が蔓延る日本に俺は転生した。 しかも生まれた瞬間、最凶の悪霊をその身に降霊される儀式中。 悪霊も産声代わりに母親を呪い殺そうとしてるし。 「いや、それは普通にだめっしょ……」…

「えーん。美味しいよ～」 「おい、ご飯食べただけで泣くな！　そんなにお腹空いていたのか？」 　部長の手料理は、乾いた私の心に染み入るほど美味しかった。 「私、東京に出てきてから８…

【マッグガーデン様にて書籍化&コミカライズ決定しました！！】 ある日、Ｉ県とＣ県の県境に地震と共に出現した、現代日本と文化も種族も原生植物も違う大陸、【ガーランド王国】。 ゴブリ…

「お前との婚約を破棄する！」えっ、この男は誰？「門限は5時だ」とか「あんな軟弱な部活に入るな」とか口うるさいお義兄様から逃げだして高校生活を楽しみたい愛莉はお義兄様とは別の高校に…

KAC20254参加作品 お題：書き出し「あの夢を見るのは、これで9回目だ」 テレビをきっかけに、9回も夢にみた　漆黒のラーメン もう我慢ならんと食べに行くと、ブラックホールの…

ゴツいマスターに迎えられるだけの掌編コント。

王都のケーキ屋で働くエリカ。 いつも彼女のケーキを買っていくギルド長のダリウス。 だが、笑顔の日常はある日を境に変わってしまう。 ――この胸のざらざらはなに？ エリカがダリ…

あなたがいない日常にも慣れてきました。 でも、今でも、あなたの足音が聞こえた気がして振り向いてしまう。 もう会えないことを頭では理解していても、心はまだあなたを待っているようです…