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「怪獣島の決戦 ゴジラの息子」

 毎度お読み頂き、有難う御座います。

 何と異世界では「怪獣島の決戦 ゴジラの息子」に当たる作品、現れなくなっちゃいました。

 それにしても「ゴジラに子供が出来る」という企画は、まあ怪獣映画は子供が見る物とは言え色々媚び過ぎじゃなかろうかという事で、当時から疑問視するファンも多かった(知り合い数名の証言)のですが。

 元々は関沢新一の弟子であった斯波一絵による親子ゴジラというコンセプトを関沢新一が完成させたもので、プロデューサーの田中友幸も「苦し紛れの企画だった」と語っています。
 結局「ゴジラの威厳を大きく損なった」と反省している様ですが興行成績はイマイチでした。

 ゴジラの子供と言うイメージのせいか、70年代末の怪獣マニアの評判は宜しくなかったのですが、再上映されたりビデオソフト化されたりで鑑賞する機会が増えると評価は一転。

 気象実験に取り組む東宝名優陣の、結構キッチリ作り込まれた話、テンポの良い福田監督ならではの展開、そして割と地味目に思われるカマキラス、クモンガ対ゴジラの優れた操演と、監督初デビューの有川貞昌によるアクロバティックな演出。
 空を飛んで逃げるカマキラスをゴジラが放射能で撃ち落とし、そのカマだけが飛んで行って高島忠夫たちの前に落ちて来るシーンは、東宝特撮円熟の技を見せられました。
 最後親子ゴジラの放射能で炎上するクモンガが燃えながら足が丸く縮こまっていく等も細かい演技です。

 音楽も「僕のゴジラはおふざけ調」「ゴジラには何の恨みも無い」という佐藤勝が南極ゾンデ実験隊の主題、ゴジラの主題、そしてタイトル前半のミニラのおどけた主題などを聞かせていて楽しい限りです。
 ゴジラの主題も出現シーンと戦闘シーンではテンポが全く違い、クモンガとの決闘では前半がアップテンポなゴジラの主題から後半実験隊の主題に切り替わる所等は大いに場を盛り上げました。

 福田監督が人情噺として盛り上げ、有川監督が雪の積もる場面に苦心したエンディングは実に見ごたえある締めくくりでした。

 ただ、前作と比べ成績が悪いのは本作単独の問題ではなく、同時上映が「怪獣大戦争」は「エレキの若大将」、「ゴジラ・エビラ・モスラ南海の大決闘」は「これが青春だ!」と人気作品だったのですが、本作の同時上映は舟木一夫主演の「君に幸福を センチメンタルボーイ」となって、それがプラスに働いたのかどうなのか。
 主題歌もヒットしたとは言えない様で、どうでしょうか。

 この作品で誕生したミニラはその後の怪獣映画でもしばしば登場し、微妙な立場を続けます。
 子ゴジラという存在もアメリカ・アニメ版やらハリウッド最初の作品やらベビーゴジラやらと姿を変えて何度も登場しており、意外とゴジラという破壊の象徴と強いヒーローの間を彷徨う不思議な存在を補完する、怪獣映画史に欠かせないキャラクターなのかもしれません。

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