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「史上最大の海戦レイテ」

 毎度お読み頂き、有難う御座います。

 さて、先に異世界を席捲した「実物を使った戦争大作」詐欺。
 現実では詐欺でも何でもなく、大プロデューサー、ダリル・ザナック製作、利チャード・フライシャーと舛田利雄監督による1970年の超大作”TORA!TORA!TORA!”が製作されています。
 タイトルから解る通り、真珠湾攻撃を日米両側から(当時としては)客観的に描き、極力特撮を使わず実写と実物大セットで再現したトンデモ超大作でした。

 当初黒澤明が監督に起用されたけど東映での撮影の雑さや、徹底したリアリズムに現場が付いて行けず監督を降ろされた、なんて事もありました。

 戦艦長門のセットで机の引き出しを開けたら、時代劇の果たし状が入っていて激怒したとか、日本側の主要なキャスティングを山本五十六以下を、そっくりさんの大企業重役の素人を起用して揉めたとかとか、東映では無理だろうなあって騒動があったのも事実で、事情通の肩から東映のプロデューサーの中に怪しい筋の人物がいたとか聞いていて、この詐欺騒動を異世界で描いてみました。

 黒澤明はその後市川崑をはじめとする「四騎の会」から「黒澤明よ、映画を撮れ!」と励まされて、自宅を担保に入れてまでして撮った初のカラー作品「どですかでん」が興行的に失敗し自殺騒動を起こし、それは正に日本映画斜陽を象徴する事件でした。

 ちなみに”TORA!TORA!TORA!”。

 スゴイ。

 冒頭の戦艦長門の実物大セット、赤城の実物大セットにズラ~っと並ぶ海軍将兵。
 ホントの飛行機(練習機ノースアメリカンT-6テキサンを零戦21型っぽく改造したモノ、ヴァルティBT-13ヴァリアントを改造した99艦爆、両者を合体した99艦爆)が真珠湾を攻撃する場面は凄まじかった…。

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 現実世界では昭和40年過ぎに製作された大作戦争映画と言えば1968年の「連合艦隊司令長官 山本五十六」でしたが、異世界でリック君が製作したのは1966年の検討用台本「史上最大の海戦レイテ」でした。

 戦艦武蔵の沈没、小沢艦隊囮作戦を中心に、途中大和砲撃戦もありました。
 武蔵沈没の部分、小沢艦隊の大部分等は後の「連合艦隊」に引用されています。
 特に若年兵が「発艦できても着艦できません」と整備兵に詫びる場面はまんま引用されています。

 この場面の若年兵に、後に「連合艦隊」でメガホンをとる松林宗恵監督が、学徒動員で海南島に赴任した際カタリナ哨戒機の機銃掃射で死んだ同い年の兵、中鉢さんの名前を託したのは特撮ファンでは知ってる人には有名です。

 この脚本、しっかりと「特技監督 円谷英二」と書かれていて、もし実現していたらどうなったのか、60年代にはそこまで血みどろで暗鬱とはしていなかった戦記大作が一足早くエラい事になっていたのか、特撮好きな人であれば気になる所です。

 なお、西村艦隊の殲滅戦も描かれていた様な、脚本を読んだのが随分前だったのでハッキリと覚えてませんが、あったかと思います。

 日本の戦記映画で第二次大戦の戦艦が砲撃する場面って、大和の菊水特攻を除くと「連合艦隊司令長官山本五十六」で金剛、扶桑がガ島を夜襲するシーン、戦艦ではないですが「樺太1945年夏 氷雪の門」のソ連北太平洋艦隊の南樺太の市街地への砲撃くらいしか思いつきません。

 もしかしたらリック君のマニア心がうずいて、大艦艇が大挙登場する(そしてほぼ沈む)「レイテ」の方が刺さったのかもしれません。

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