――MBTIは性格診断ではなく、権力の設計図だった
この物語は、
「最強のMBTIはどれか?」という
一見すると娯楽的で、少し危険な問いから始まります。
ですが、
途中でお気づきの方もいると思います。
この物語が戦わせていたのは、
MBTIタイプそのものではありません。
“性格が集団の中で、
どのように権力へ変換されるか”
その構造です。
■ MBTIは「能力」ではなく「役割」を生む
MBTIは、
優劣を決めるためのものではありません。
けれど現実では、
知らないうちにこう使われます。
論理的だから、決める側
共感的だから、支える側
外向的だから、前に出る側
慎重だから、止める側
つまりMBTIは、
能力というより「配置」を決める道具です。
この物語では、
それを極端な形で可視化しました。
■ なぜ〈王〉は生まれたのか
〈王〉は、
「最も強い」から王になったわけではありません。
決断が早い
責任を引き受ける
秩序を好む
それだけで、
人は「任せてしまう」。
支配は、
奪われる前に、
預けられる。
これが、
最初の歪みです。
■ 設計者は“反逆者”ではない
〈設計者〉は、
破壊者ではありません。
彼が壊したのは、
暴力ではなく前提です。
王が必要という前提
秩序が善という前提
保護が優しいという前提
彼は反抗しません。
構造をずらすだけです。
現実でも、
最も危険なのは
声を荒げる反逆者ではなく、
「仕組みそのものを
疑う人間」です。
■ 共感は、最も遅れて“武器”になる
〈共感者〉は、
最初から戦えません。
共感は、
集団では最初に消費されます。
調整役
クッション
感情の掃除係
ですが、
それが限界に達した時、
共感は
「拒否」という形で暴力化します。
この物語で描いたのは、
優しさが壊れる瞬間です。
■ なぜ「勝者不在」なのか
この物語に、
最強は存在しません。
なぜなら、
王が勝てば、社会が止まる
設計者が勝てば、責任が消える
共感者が勝てば、決断が遅れる
どれか一つが支配すると、
社会は歪むからです。
つまり、
社会は
勝者を
必要としない
これが、
神ですら予想しなかった結論でした。
■ 最後に
この物語は、
MBTIを信じるための話ではありません。
むしろ、
MBTIを「信じすぎない」ための物語です。
あなたがどのタイプでも、
王にならなくていい。
設計しなくていい。
共感し続けなくていい。
ただ、
「選んでいい」
それだけが、
この物語の結論です。
読了、
ありがとうございました。
この物語が、
あなたの中の
「決断」を
少しだけ自由にできたなら、
それ以上の勝利はありません。
――著者より