この物語は、
「いい先生」の話じゃない。
むしろ、
一番なっちゃいけない教師の話だ。
殴る。
怒鳴る。
違法。
最低。
アウト。
今の時代なら、
一話目で即打ち切り。
SNSで炎上して、
まとめサイトに晒されて、
コメント欄で死体蹴りされて終わる。
それでも、
この話を書いた。
なぜか。
それは、
正しい人だけが残る世界が、
あまりにも嘘くさいからだ。
現実には、
優しいだけじゃ止められない暴力がある。
正論だけじゃ立ち上がれない人間がいる。
制度はいつも、
「事故」「不幸」「仕方ない」で片付ける。
その隙間に、
誰も立たない。
スティーブンは、
正義じゃない。
ヒーローでもない。
罪を犯した。
逃げなかった。
最後は刑務所に入った。
それでいい。
それが、
責任の取り方だからだ。
救って、
逃げて、
美談にして、
拍手されて終わるより。
最低でも、
最後まで立って、
罰を受ける。
それを選んだだけだ。
「最低でも立て」
この言葉は、
誰かを許すための言葉じゃない。
自分を正当化する言葉でもない。
逃げなかった事実を、
自分で覚えておくための言葉だ。
立てなくてもいい。
強くなくてもいい。
正しくなくてもいい。
それでも、
選んだなら、
その場所に立て。
もしこの物語を読んで、
笑って、
引いて、
ちょっとだけ胸に引っかかったなら。
それで十分だ。
この話は、
誰かを救うために書いていない。
ただ、
忘れられなかったものを
置いていっただけだから。
最後まで読んでくれて、
ありがとう。
最低な教師の授業は、
ここで終わる。
でも。
あなたが今日、
何かから逃げなかったなら。
それは、
もう続編だ。