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君がいた季節の終わりに てんとう虫の壁時計

◇てんとう虫の壁時計とカランコエ◇
彼女が引っ越しの荷物をアパートに運んで、今日からそこで住むという土曜日か日曜にの3月中旬の日だったと思う。記憶は定かではないが、きっと「手伝ってよ」と言われたか、「手伝うよ」と言ったのだと思う。

引っ越し祝にとあまり花のない時期だったが、「カランコエ」の一番キレイな鉢をオレンジのラッピングでもっていった。
もう一つは、電話で壁時計がほしいといっていたので。秒針の先に小さなてんとう虫がついていて、てんとう虫が時を刻む壁時計にした。

彼女は「私ね。時計の針の音がしてもなかなか眠れないんだ・・」と言ったのを記憶している。だから、どれを選ぶか、本当に迷った。まず、壁時計のおいてある店を見て回ったが、田舎だから、そうたいした種類もなく、これだなというものはなかった。
Amazonでやネットで色々探した。よさそうなものは、ほしいものリストに次々入れて考えていた。一番「時計の針の音が・・」がネックだった。音がしないものとすると、電波時計かな?時間も狂わないし、、、、と思ったが、なかなか、思うものはなかった。
お気に入りのリストには20個くらい並んでいた。

気になっていたのが、かわいいてんとう虫の壁時計だったが、電波時計ではなかった。

あのころは、まだ恋に落ちていたときでもなかった。4年間の晩年のように、「どれがいいかな?」と互いにやりとりして選べれば一番良かったのかも知れないけど、私が選んだ。

カランコエとてんとう虫の壁時計のLINEのアルバムはない。その頃は、まだ、写真を保存するという感覚が二人にはなかった。そうそう、二人のお昼やいろんな写真も初期の頃のものはない。
でも、カランコエともう一つの花の写真だけは、どこかに残っていた気がするから、オレンジのラッピングも覚えているのだ。

「時計の針の音で寝れない・・」といっていた彼女だったが、しっかり寝ていた気がして、時々あの時こう言っていたよね、、なんて冗談ぽく話したものだった。

そうそう、私が、自宅ではなかなか眠れないが、彼女といるとスーッと寝れたように、もしかすると彼女はアパートを出る前は、緊張していたからそうだったのじゃないかと後々思った。でもそのことは、話さなかった気がする。

真っ白な部屋の壁にてんとう虫が時を刻んだ。アパートだから、壁に穴をあけられないので透明な糸で宙に浮いているように二人でした。

電波時計でないから、時刻が進んだ。彼女は、「このくらい進んでいるほうが準備が早くできていいの」ともいった、4年間の最初の頃は、5分ぐらい進んでいた気がする。4年の最後には10分ぐらいすすんで時を刻んでいたような気がする。

この引っ越しの最初の日が、二人の恋の深まりが始まった日だったから、よく覚えている。
春に近い3月だが日差しも暖かかった気がする。

蛇足で言えば、カランコエは、3年間一度も咲かなかったので、彼女は処分したようだった。その時は彼女らしいなと軽く思っていたが、4年間を経たいま、自分の運命もカランコエみたいだったな。と笑える。

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