ヤンデレと国家戦略が同時に進む。そんな物語が成立するのか。
今日は、以前ランキング巡回で読んだ作品を紹介したい。
過去におすすめした作品について、一読者としての率直な感想を語ろうと思う。
『災禍級魔術師はサイコロを砕く
~正史ルートだとバッドエンド直行のゲーム世界に転生したから特殊エンディングを目指していたら、ネームドキャラたちに執着されてヤバいことになった件~』
https://kakuyomu.jp/works/822139836701235689物語の舞台は、主人公が生前プレイしていた戦略ゲームの世界。
現代日本人だった前世の記憶を持つ主人公は、最下級の平民として転生する。
そして主人公だけが知っている。
この地シャイアの末路は――滅びである。
その身も蓋もない結末を回避するため、主人公は奔走することになる。
一見すると「最下級から災禍級への成り上がり」の物語に見える。
だが、本作の核心はそこではない。
物語を強く牽引するのは、ヤンデレヒロインたちとの心理戦だ。
登場するヒロインは皆、一癖も二癖もある人物ばかり。
ヒロイン一人との関係悪化が、そのまま国家戦略の破綻につながりかねない。
この危うい関係をどう乗りこなすのか。
それが物語の大きな見どころの一つである。
そしてその選択が、そのまま国家レベルの戦略にも影響していく。
本作には、もう一つ重要な側面がある。
それは、この世界がもともと戦略ゲームの舞台であるという点だ。
周辺国家との戦争、政治的な駆け引き、勢力同士の力関係。
主人公はそれらを見据えながら、滅亡回避のための選択を積み重ねていく。
つまりこの物語は、「ヤンデレヒロインとの心理戦」
そして「国家レベルの戦略ゲーム」
この二つが同時に進んでいく構造になっている。
さらに興味深いのは、主人公の視点だ。
滅亡回避のためには、人材の選別や排除も必要になる。
現代の倫理観からすればとても受け入れ難く、誰を救い、誰を切り捨てるのか。
その判断を見るたびに胃が痛くなる。
だからこそ主人公は、ヒロインたちを「NPC」として認識しようとする。
感情を切り離さなければ、合理的な判断ができないからだ。
だが物語が進むにつれて、その姿勢は少しずつ揺らいでいく。
この心理の変化もまた、本作を追う楽しみの一つだ。
もちろん、読者を選ぶ部分もある。
過酷な世界で重い展開が続き、ヒロイン候補であっても容赦なく脱落していく。
主人公も唯一無二の力を持ちながら、決して無双できるわけではない。
つまり、爽快感や達成感を前面に出した作品ではない。
だが個人的には、そのギリギリ感こそが面白い。
主人公の判断
ヤンデレヒロインたちとの危うい関係
シャイア滅亡を回避するための戦略
それらが絡み合う物語は、ただの娯楽を超えて
まるで一つの選択が、そのまま世界の行方を変えていくような緊張感を生み出している。
個人的にはかなり好みの作品で、現在も連載を追っている。
私のおすすめレビューでは☆3を付けた。
https://kakuyomu.jp/works/822139836701235689/reviews/822139841229368083この二つが絡み合う構造が非常に面白く、続きがどうしても気になってしまった。
重い展開やシビアな判断も多く、爽快な無双型ファンタジーとは少し方向性が違う。
だがその分、物語の緊張感や戦略性はかなり高い。
戦略ゲーム系の物語が好きな人や、ヤンデレヒロインとの心理戦を楽しみたい読者には、強くおすすめできる作品だと思う。
こういう作品と出会えるから、ランキング巡回はやめられない。
さて、次はどんな作品に出会えるだろうか。
今日もまた、ランキング巡回の続きだ。