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ランキング巡回ログ #2 ~テンプレのためにキャラが不自然になるとき~

テンプレ展開は嫌いではない。むしろ好きだ。
だが――その展開を支える「納得感」は欲しくなる。


今日もランキングを巡回する。今回開いた作品はこちら。

『チートなんて無い。~貧乏男爵の跡継ぎに生まれ変わったので何とかしたい~』
https://kakuyomu.jp/works/822139840468926025

チートに頼らず、創意工夫で成り上がっていく物語は好みに合う。
タイトルから、そうした堅実な成長譚を期待して読み始めた。


主人公は転生者で男爵家の次男。
ダンジョン管理中に父である男爵が負傷し、長男がその場から逃げ出したところから物語が始まる。

本来の嫡子である長男は問題児で、屋敷では侍女を襲い、暴力などの問題行動を繰り返している。
それにもかかわらず、父は長男を嫡子に据え、主人公には教育も施さず明確に下に置いている。
母は主人公の味方ではあるが、状況自体は変わらない。

その後、父の行動には理由があることが明かされる。
過去に起きた後継者争いを避けるため、あえて早い段階で長男を嫡子に据え、主人公が台頭しないようにしていたというものだ。

この構図に強い違和感を覚えた。

意図としては理解できる。
しかし結果としては「展開のために周囲の人物が不自然な行動を取っている」ように見えてしまった。

特に気になったのは両親の人物像である。

まず母は、社交界に聞こえた優秀な元侯爵令嬢とされている。
そして父は、そんな母が自ら格下の男爵家に嫁ぐことを選ぶほどの人物である。

つまり、両親に人物像として語られている能力があるならば、過去の後継者争いの経験があったとしても、ここまで最悪な手を取り続けるとは思えないのだ。
まるで、テンプレ展開にするために歪な行動をとらされているように感じてしまった。

テンプレ展開自体が悪いとは思わない。
むしろ王道として成立している型だ。

ただ、その型に物語を合わせるために登場人物の行動が不自然になってしまうと、どうしても違和感が残ってしまう。
チートではなく創意工夫で進む作品だからこそ、キャラクターの判断や社会構造にも説得力を期待したが、
個人的にはその違和感が最後まで拭えず、途中で読むのをやめることにした。

テンプレ展開を成立させるためには、やはりキャラクターの行動に納得感が必要になる。
その難しさを感じさせる作品だった。

ただし、追放や家督争いといった王道テンプレ展開を楽しみたい人や、多少のご都合主義よりもテンポを重視して読みたい人には向いている作品だと思う。


ランキング巡回では、こういうこともよくある。
好みに合う作品を探す作業は、思っている以上に根気のいるものだ。

さて、次はどんな作品に出会えるだろうか。
今日もまた、ランキング巡回の続きだ。

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