地球に月はただひとつ。
紫式部も 在原行平も 源頼政だって
きっと、同じ月を仰いだのだろう。
そう思うと、わたしも連綿と続く歴史の中にいるのだと実感する。
「月がきれいですね」
愛の告白だと読んだことがある。
直接の言葉がなくても届くことを信じて。
いや、必ず届いていると確信して、言葉を紡ぐ強さと美しさが胸に迫る。
「月がきれいですね」
わたしも つぶやいてみる。
必ず届くと信じて、同じ強さで願う。
月を見上げていて
ふと「9年間 孤独に置かれた紫苑」を思い出した。
今も、木蓮の歌が守ってくれているのかな、と
月にあるはずの基地に思いを馳せた。
