金時まめ

見つけてもらった“わたし” そして、見つけてくれたそのやさしさに もう一度「ありがとう」を伝えるための―― 小さな祈りのような、冬の詩。 時を越えても灯り続ける言葉。

週末へ向かうとき。 ただ「お疲れさま」と言い合えるだけで、世界はやわらかくなる。 週明けへ向かう夕暮れや夜も、同じ。 ふたりで過ごすだけで、世界はやさしくなる。 そんな“いつ…

幼いころ、雪は憧れだった。 鉄棒の上のわずかな雪を掬った日の記憶は、今も胸の奥で光っている。 雪国に暮らす今、白はもう厄介な存在でしかないはずなのに―― それでも、空から降る白の…

正しさの名のもとに離れることを選んだ男。 泣かれることも、罰を受けることもできなかった彼は、 いまも“道しるべ”を掲げたまま生きている。 ――それは、いつか帰る人のために 誰にも…

海外で食べた“日本食”に感じた小さな違和感。 その後、日本だけに生きる発酵の生命を知った瞬間の驚き——。 見えない菌たちがつくってくれる“ぬくもり”を思いながら、 今日の湯気に…

秋の終わりに出会った一匹のリス。 忘れられたどんぐりが、 ずっと後の季節に新しい命を育てていく──。 人の心の中にも、そんな“静かな循環”があるのかもしれません。 忘れたはずの…

濡れた袖に落ちた、水玉の証。 その小さな光景が、心の扉をそっと揺らした。 雨空の下ではじまる、やさしい恋の物語。

目に見えないものほど、心に触れてくる。 つかめないものほど、本当のかたちをしている。

見えない力で支え合うふたり。 悲しみの中で微笑んだ日も、 あなたはいつも気づいてくれた。 それが“引力”であり、“斥力”でもある。 ふれずとも温めあう、そんな距離の物語。

守るために着た鎧の下で、 あたたかい息をしていた言葉たちがありました。 尊敬と理性のすき間からこぼれた、祈りのような恋。 長い時間をめぐって、ようやく届いた赦しの詩です。

神々が旅立ち、世界が静まり返る神無月。 その沈黙の中で、ひとしずくの命が芽吹いた。 愛おしい吾子を包む父の腕は、黄金の木綿のようにあたたかく―― “言葉”から生まれた小さなひとし…

世界の色が濃すぎて、息が苦しくなることがある。 そんなとき、あなたの海に触れると、 心に静けさが戻ってくる。 あなたの呼吸が、わたしの酸素になる—— “深海のようなやさしさ”を描…

向かい合って笑い合うふたり。 おたがいの想いを後ろ手に隠しながら、 見えないところでこぼれる気持ちを、そっと拾っては笑っている。 ――そうして、誰にも見せない愛おしさだけが、 や…

止まった時間が、偶然という名の奇跡で再起動する――再会。 あの日、ただ見送るしかなかった背中に、わたしは手を伸ばした。 これは、触れた指先と、その一瞬に宿ったすべての記憶。

ひとり。大切な調律の期間。 繭の中で聴いた小さな“自分だけの音”を、 心で見つめました。

形を変えても、見えなくても、消えない想い。 ふと見つけた小さな”しるし”に、その答えが刻まれていました。 言葉を超えて、 そっと、あなたへ届きますように。

どんなにやさしい言葉も、一度では不安は拭えないから。 なんどでも　大丈夫。 ここが　安心の場所だから。

大げさな言葉ではなく、静かな温もりを大切に詩にしました。

大丈夫、また違う形で一緒にいられる。 自由に飛ぶために、手放す勇気を描いた詩です。 前の詩は「感謝」の想いの中に、少し切なさが強く出てしまいました。 それは本意ではないので、 …

そのあったかい手があれば、一緒に乗り越えられる。

すれ違いと思っていた時も、実は同じ想いで重なっていたと知った。そんな“おんなじだね”の奇跡を描いてみました。