「言葉のみ」を含む小説

人生の終わるその時に、神を冒涜する言葉を口にしてはならない。 その禁を犯した者は、狭間の世界と呼ばれる領域に投げ落とされ、未来永劫さまよい続けることになる。 そんな言い伝えがこの…

　自死した者の魂は同じ運命を辿ると信じられている宗教国家、ララエリシア。 　国内有数の貧困地域で暮らす聖職者であるエリーは、「来世は幸せになりたい自殺志願者を殺害する」裏仕事によ…

あらすじ とある私立高校に通う桜庭凪（さくらば なぎ）は、誰からも慕われる完璧な優等生。しかし彼女には、誰にも言えない裏の顔があった。 それは、過激な言葉でネット界隈を扇動し、…

書くことに疲れたら無理して書かない、をポリシーに。こちらでは言葉を紡ぐ上で思ったこと、感じたこと、心がけていることなどをひっそりと綴っていきます。元編集者の独り言としてご笑覧くだ…

強がりながら、笑いながら、 本当はずっと泣いていた。 あの日の痛みも、あの言葉も、 いまではもう、やっと―― わたしを生き返らせてくれるものになった。

愛する彼女をトラックの事故から庇い、その短い生涯を終えた男。 しかし、その自己犠牲の精神は、天界の女神の心を強く打ち震わせた。 「これほど強靭な精神……素晴らしい逸材です」 女神…

勇者として仲間である戦士、法術師、魔法使いと共に旅に出たフォールは長い旅路の末についに魔王を倒すことに成功し、一躍救世の勇者として英雄となった。 しかし、フォールに平穏の日々は…

2065年、日本。企業が自治体運営を担う“企業都市”が当たり前になった国で、行政庁の審査官・東雲遼は、局長・倉木凛の一言で現場へ送り出される。同行するのは、文化庁の職員・天城澪。…

邪竜を倒した伝説の勇者パーティには、語られることのない五人目のメンバーがいた。 バカ・ギャンブル中毒・酒カス・方向音痴――問題児だらけのパーティを陰で支えた"勇者の弟"フロウは…

日本史上最年少の総理大臣、天城真。 彼が転移したのは、剣と魔法の世界。亜人種が「奴隷」として虐げられる、腐敗した封建国家『エスペランサ王国』だった。 「理想だけでは、人は救えな…

私は事故に遭い、愛読していた小説『シルヴィアン・ゴールド』の悪役令嬢・クリスに転生していた。 バッドエンド回避。その言葉が頭の中をぐるぐるまわる。 『シルヴィアン・ゴールド』は…

星の系譜の中に出てくるその時々の言葉や文章など、自分が頭を整理するためにつらつら書いただけのメモ書きです。

私、京坂静音が愛する彼女、小坂瑠奈が突然姿を消した。 昨日まで一緒にいたはずなのに。 残された私は、彼女の部屋に残されていた瑠奈の置き手紙を読み、慟哭した。 手紙の言葉の裏に気…

青山遥は、父親の後を継いで北海道の日高で牧場を経営している。 　3月のある早朝、臨月の白毛のサラブレッド「スノーフェアリー」が腸ねん転を起こして苦しみだす。 　スノーフェアリーを…

世界のどこにでも繋がり、どこにも存在しないところにそれは静かに灯っている。 隠り世の片隅で、支配人・時任灯弥が客人を迎える。 迷い込むのは、悩める者も、野心に燃える者も、何も望ま…

平凡な男子高校生【山田太陽】にとっての日常は、異性にモテまくる親友の恋模様を観察することだ。 　ある時、太陽はその親友の妹からこんな言葉を隠れて聞くことになる。 「私ね……太陽…

天使の皆様がた、 ようこそいらっしゃいました。 皆様にご覧いただいておりますのは、 人間と狐族による一世一代の大舞台。 ――そして今宵より、 その舞台に、新たな影が加わりました…

「……セラ。俺を──愛せ」 炎の瞳が揺れる。 魔王は喉の奥で言葉を噛み潰し、それでも逃げずに少女を見つめた。 「……俺を、愛してくれ」 その声は、命令でもなければ支配でもな…

プロローグ　―リュミナシアの調律者たち― 　かつて、翡翠のごとく透きとおる星――その名を リュミナシア と呼ぶ――に、異なる宇宙より呼び寄せられし十六名の「調律者」たちがいた。…

　詩人マリアの書く言葉は、不思議と世界を少しだけ変える。 　―― 人はいつしか、彼女を「言葉の魔女」と呼ぶようになった ―― 　けれど、愛する人を救うことはできなかった。 　…