概要
もしも千姫事件を起こした暴君・坂崎直盛が賢君だったら、千姫事件の真相は
1616年、津和野藩主・坂崎出羽守直盛は、将軍徳川秀忠の娘・千姫強奪を企む。事前にそれを知った秀忠は、兵を出して坂崎家の屋敷を包囲、将軍家兵法指南役・柳生宗矩を使いとして派した。宗矩は直盛の親友でもあった。
この騒ぎを知った英国商館長リチャード・コックスは、英国人で幕府の侍となった三浦按針に、このような騒動が起こるのは、野蛮人の証拠だと断じた。また、野蛮人とは徳(virtus)がない人で、徳(virtus)の無い人の国とは、通商する価値はないと断言した。
これを憂慮した按針は、宗矩を訪れ、直盛のことを知りたいと願った。宗矩もまた、コックスが、直盛は徳(virtus)が無いと英国に伝えるのを忍びず、直盛との出会いから語り出す……。
この騒ぎを知った英国商館長リチャード・コックスは、英国人で幕府の侍となった三浦按針に、このような騒動が起こるのは、野蛮人の証拠だと断じた。また、野蛮人とは徳(virtus)がない人で、徳(virtus)の無い人の国とは、通商する価値はないと断言した。
これを憂慮した按針は、宗矩を訪れ、直盛のことを知りたいと願った。宗矩もまた、コックスが、直盛は徳(virtus)が無いと英国に伝えるのを忍びず、直盛との出会いから語り出す……。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!樹によってその実が知られるごとく、長編もまた短編によって知られる
応仁の乱からおよそ150年続いた日本の戦国時代。その最後の戦いとなったのが、慶長20年(1615年)の大坂夏の陣であり、そこには数々のドラマが生まれます。
そして本作も、二人の男の友情を軸に、関ヶ原の戦い前夜から大坂の陣の一幕――千姫奪還事件までを描き出す歴史ドラマです。
実はこの作品、同じ題材の短編(『二蓋笠(にがいがさ) ~柳生宗矩、千姫事件を捌(さば)く~』、https://kakuyomu.jp/works/822139839339730680)がすでに公開されておりますが、実際は本作の方が先に完成しており、上記は本作の短編バージョンという位置づけです。(ちなみに上記短編は、…続きを読む - ★★★ Excellent!!!徳とは
千姫事件を扱った、歴史ミステリーともいえる本作。
板崎直盛が主人公であり彼の示した亡き友への友情、柳生宗矩との言葉を受け入れ自害に果てる様も、燦然と燃え盛る「徳」なのでしょう。
ですが、柳生宗矩。
彼が直盛の死後に示した行いこそ、私には「徳」の形だと感じた。
「宗矩は変わらず二蓋笠を使いつづけた」
最高権力者の意向に抗い続ける。その理由も共感も、誰にも求められない。
不撓不屈たるを淡々と「続ける」
その在り様こそが「徳」であると。
未読の方には、是非ふたりの「徳」の示し方を体験して頂きたい。
付記すると、宗矩も直盛も、若き日はむしろ欠点の多い人物だったことです。
彼が年月…続きを読む