夜のかたすみ、胸にひびき、心の底をあたためる、不思議な音をかなでる草。その草たちが響きあえば、音と音とがつながって、合唱が夜をあたためてゆく。人々がこっそりと手をたずさえれば、直にぬくもりが通わなくても、作り出された輝きは心のどこかを温める。まだまだ寒いこの時期の夜にぴったりの作品です。
星見草という夜空を晴らす歌を歌う草(やっべええ、超育ててええ!)と、主人公の周りの人たちの小さな温かさが素敵なお話です。 一番いいなと思ったのは星見草の奏でる音でした。「チリ……」という耳の奥に微かに響く硬質な音。何光年もの距離を超えて星に囁く小さな声のようでもあり、星の瞬きが立てる微かな響きのようにも聞こえます。 いいな、この草。やっぱり育ててえ。
このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(188文字)
「星が見えないなら、耳で探ればいい」という冒頭と、「チリ」と鳴く不思議な草の描写に引き込まれました。何より感動したのが、子供たちの純粋な熱意に大人が応え、街が一致団結して明かりを消すクライマックスです。その静寂の空に現れた一粒の星。それは、人々の優しさが誰かの凍えた心を温めることへの、神様からの最高のプレゼントだったのだと感じました。三つのお題が美しく調和した、心洗われる名作です。
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