深海に降る雪
それは、深海に降りそそぐ白い雪に似ている。
光のさすことのない、深い深い海の底へ、"生きた"という証だけが、音もなく、途切れることなく沈んでいく。
遥か上で、どんな嵐が起きていようと、その揺れは決してここまでは届かない。
世界から切り離されたその深さが、美しくて、どこか得体が知れない。
積もることも、溶けることもなく、ただ沈んでいく。
誰かの笑い声。
誰かの涙。
誰かの名前を呼んだ声。
すべてが、等しく深海の底へと落ちていく。
ここには、善も悪もない。
喜びも悲しみも、同じ重さで静かに沈む。
それを見上げる者は、誰もいない。
それを嘆く者も、いない。
ただ、降り続けている。
そして、いつか――。
その雪の一片が、底に触れる日が来るのだろうか。
それとも、永遠に沈み続けるのだろうか。
誰も知らない。
けれど、雪は降り続ける。
静かに、美しく、途切れることなく。
一章17話まで拝読しました。
この作品の好きなところ分析してみます!
①見たことない景色が目の前に広がる
章ごとに風景が変わります。
想像もできないようなファンタジー世界なのに、描写が緻密で伝わりやすく、風景が目の前に広がります。
どうやってその描写思いつくんですかぁ!!と聞きたくなります。
私のお気に入りは、
「序章 10話」の祈りの塔内部(「祈り」と機械の融合で、サイバーパンク?スチームパンク?残響パンク感?がある。)です。
②共感できる、多様なキャラクター
キャラクターの性格や背景、思想が多様で、物語に対し最適に配置されています。
キャラ被りとかキャラ崩壊がありません。生きて会話してます。
また、キャラクターの行動パターンや話し方が区別されていて、いちいち誰が言ったのか書かなくても、だれが話して行動しているのかすぐわかるのがすごいと思います。
私のお気に入りは、研究者肌で頭がいい、かわいいカムイちゃんです。
③文章の美しさ
自分も小説を書いたため、ここはお見事!と思うところがたくさんあります。
いつか読者数人で作者様を取り囲み、どうやってそんな文章書いているのか質問ぜめにしたいです。
・独自で難しい設定なのに、会話文や物語の中に説明が溶け込んでおり、全然説明っぽくないです。
・読み上げ機能を使うとわかるのですが、耳で聞いても心地よく、わかりやすい語彙を使われています。
以上、いろいろ書きましたが、間違いなく読んで損がない作品だと断言できます。
序章まで一気に読了しました(序章までで、一つの物語として成立しています)
ファンタジーである今作、魅力的なのはその設定です。
人々は皆、世界の記憶の断片を宿して生まれる……それは正典=寿ぐべき記憶と、外典=忌むべき記憶の二つに分かれ、どちらを宿したかで運命が決まってしまう残酷かつ秩序だった世界。
外典の主人公と、世界の記憶をなくし空白となってしまった元正典の少女が出会い、物語が動き出す……
これを大きな幹として、オリジナリティのある設定が王道の物語に織り込まれています。次々とイベントが起き、バトルも楽しいので、序章ラストまで面白く読めました。
また、正典と外典という書物的なテーマからか、キャラの名前に作家が多く使われているのも面白いポイントです。「こういうキャラにあの作家の名前使ってるのか」みたいな楽しみ方も出来ます。
特に、骨太とも思えるタイトルが回収される瞬間はゾクッとしました。
おすすめ出来る物語です!
はい。めっちゃ好きです。
素直な感想です。めっちゃ好きです。以上です!!
まず、「記憶」がテーマと言われたときに、それで運命が決まるって誰が想像するでしょう?
私はずっと「記憶」って「命の形」だと思ってました。でも本作は違う。「記憶」が「運命の形」を決めてしまうんです。
今を表現する媒体では無く、未来を表現する媒体なんです。
「光」が「時間(4次元軸)」を形成する物だと思ってたら、「20次元」だったみたいな話(ほんとに?)。
つまり、「相対論」で完結だと思ってたら、いきなり「超弦理論」が現れた、みたいなそんな衝撃(そんな話……?)。
加えて世界に張り巡らされた固有名詞と言い回し、表現方法が際立っていて、筆者様が思い描かれているであろう独自の世界が目に浮かぶよう。
読みにくさが無いからすらすら読めちゃう。
つまり、一言でまとめたら「めっちゃ好き」です。
読まないなんて損ですよ。物書きは勿論、読専様にも届けたい。そして共有しましょう、この「めっちゃ好き」を。宜しくお願いします!!
自分のものではない何者かの記憶「残響」を人々が宿し、その性質で身分が隔てられる世界。忌むべき「外典」の残響を持つ主人公と「正典」の残響を失くしたヒロインの出会いから始まる本作。
「記憶」を主軸に据え、底見えぬ深みを感じさせる独自の世界観は読者を掴んで放しません。
それでいてサクサク読めるし、次の展開もちゃんと気になる。しっかり楽しめる異能バトルファンタジーです。
個人的に、あらすじみたいな作品タイトルが席巻する中にあって、たった4文字のタイトルで勝負に出た作者様のロックな反骨心に、心からの賛美を送ります。主人公が世界に反逆する立場から始まったのも、そんな反骨心に由来する……のかもしれない。
初めて書いたとは思えない程、物語の設定と骨子が作られているのでフワフワした感じがなく、どっしりと無骨で太い良作。
これまで見たことがない設定なので、その世界観に入り込んだ時、脳内映像には「赤、橙、闇、光」が混ざり合った。
多少、感情描写の物足りなさはあるかもしれないが、作者の意図するところはきちんと伝わってくる事と、一話一話の適度な文字量の調節で素直に読み進めることが出来る。
変にブレず、このままの世界観と重さでラストまで走る事が出来れば、今後求められるだろう「重厚ダークファンタジー」に刺さる。
まだ読み進め途中ではありますが、完結まで頑張って欲しいです。
すみません、感想ベタです。