孤独と死への渇望を抱える女子高生が、かつての教育実習生に「守るため」と称して連れ去られるサスペンス劇だ。誘拐という犯罪を、親友を自死で失った犯人のトラウマと贖罪として描く点が特徴的である。善意と狂気が表裏一体となった救済の是非を問い、絶望の淵に立つ者同士が密室で向き合う過程が、読者の倫理観を静かに揺さぶる独創的な構成となっている。社会派サスペンスや、重厚な心理描写、贖罪をテーマにした物語を好む読者におすすめできる。
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