概要
死んでいないだけの日常、それでも生きていく。
人の心を蝕む存在『影』が見え祓うことができる青年、町山英心(まちやまえいしん)。
だからと言って特別な使命があるわけでも、何かしらの大事件に巻き込まれたりするわけでもなく、ただ死んでいないだけの日常を送る。
社会から脱落して半年。今日も彼は精神科へと足を運ぶ。
しかし、1人の女性の死をきっかけにその日常にも変化が生じてくる。
これは過去と現在が交差する物語。
だからと言って特別な使命があるわけでも、何かしらの大事件に巻き込まれたりするわけでもなく、ただ死んでいないだけの日常を送る。
社会から脱落して半年。今日も彼は精神科へと足を運ぶ。
しかし、1人の女性の死をきっかけにその日常にも変化が生じてくる。
これは過去と現在が交差する物語。
いつも大変お世話になっております。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!祓えない痛みを抱えて、それでも生きていく物語
人の心を蝕む「影」が見え、それを祓うことができる町山英心。
けれど、彼自身の鬱は祓えない。
この設定だけでも強く惹かれるのですが、読み進めるほどに、この作品は単なる異能ものでも、心の病を描いた物語でもないのだと感じました。
誰かを救える力があること。
けれど、その力が自分自身を救ってくれるとは限らないこと。
救われた側にも、救った側にも、その後の人生が続いていくこと。
複数の人物の視点が重なっていくたびに、出来事の見え方が変わり、善悪だけでは割り切れない人間の弱さや痛みが浮かび上がってきます。
読んでいて苦しくなる場面もあります。
けれど、その苦しさはただ暗いだけではなく、最後には…続きを読む - ★★★ Excellent!!!鬱な主人公は埋もれているのに、存在感がある。影が反転して輝く秀逸な物語
この物語は精神を病んでしまった主人公と、彼に関わる他の登場人物達のエピソードが積み上がりながらすすんでいきます。はじめはホラー作品かと思えるかもしれません。起こった事件の謎と、主人公の病んだ結果での現在状況がどこかで繋がっているはずですが、それが容易に掴めません。これはミステリーでもある。しかしながら、ヒントを隠したりという構成ではありません。1話単位としては個人に焦点をあてて描く手法で、登場人物の魅力と事情を明らかにしつつも全体としての謎がほふく前進のようにじわっとつながっていく作りです。私は自分なりに理解して読みすすめていたところ、最終局面でガツンとやられました。読了後は、人間の業とか、…続きを読む