あの日見た鬼火が、また見れますように。

子供の頃に行った祖母の家。
そこで“私”は鬼火をみた。



鬼火というタイトルの言葉から、何か妖が現れるようなお話を想像したが、本作はそういったものではない。

かといって鬼火が見間違いであったり、比喩であったりもしない。

これは鬼火が登場する、とても優しく温かい物語なのだ。




「大丈夫。どんなことでも、なんとかなる」

それを人生の全てで体現し、すべてを優しく笑って見守ってくれた祖母。
それは認知症になってなお、変わらなかった。

祖母の人柄がにじみ出る温かいエピソードは本当に読んでいて心地良い。

読後には、とても温かい、良い物語を読んだという充足感がある。



本作を読めば、あの鬼火をまた見ることができたならいいな、と思うことだろう。

心温まるとても良い作品なので、ぜひおすすめしたい。