雨が止むのを待ってるよ。

雨の日に、玄関の前に見知らぬ男の子が
立っていた。
 自分の事を ママ と呼び、
雨の日には 外に出されてしまう という
その子。警察に連絡した方が良いけれど
兎に角こんな寒い雨の中、放って置く訳に
行かずに家に 招き入れる と、とても
嬉しそうにする。けれども

いつの間にか、居なくなってしまう。

名前を聞いても 決まり事 があると
言葉を濁し、黄色い レインコート を
欲しがるその子。

 何か を、思い出してしまうと

それは咳を切った様に土砂降りとなり
何もかもを呑み込んでしまうから。

 雨は、いつまでも静かに降り続いて。

けれども雨が止まないと、あの子は
橋の袂で濡れたままで ───。



この作品は、実は作者のとある別の作品の
続編にもなるもの。是非にも連作として
もう一つの『物語』も探してみて欲しい。

この結末に更なる鮮明さを齎す。
 
 
   
   

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