唯物論的『猫又』の流儀。
- ★★★ Excellent!!!
何とも言えない不思議な怪猫譚だ。
温かさと可笑しみのある、それでいて相当
創り込まれた秀逸なミステリーとも
言えるだろうか。
ある日、猫又が『ヒトになれる』事に
気が付いた。元来、猫又というモノは
喰った人間に化られるのだという。
一匹の猫が消えて、一人の人間が存在する
が、実際は一人の人間が消えて、一匹の
猫又がそれに化ける。
…とはいうものの、そのへんの認識には
多少の齟齬があったりする。
ならば、自分は鏡に映る この男 を
喰らったのか。
差し詰め、飼い主だった男かも知れない。
せめて、どんな人間か知ってやろうと
猫又は男の 日記 を読み始める。
とても完成された掌編、と言えよう。
こんな話が書けるなんて、もしかすると
この作者……
猫又かも知れない。
とにかく、読んでみて欲しい!
猫又かどうかわかるのには、少なくとも
一年ホドは必要だろうけれど。