天変王子と綿花姫 【短編 お題フェス11 天気】
ナナシ(仮)
第1話 天変王子は空を眺める
空を眺める。
雲一つ無い青い空。
何時もはこの時期になると長雨が来る筈なのに全く雨が降る気配が無い。
だからだろうか、今年は隣国がうちに小競り合いを仕掛けて来るのも早い。
うちには大きい湖もあるし、山から流れる川や湧水も豊富で水に困った事が昔から無いと言う。
お隣さんはその水資源を狙って毎年攻めて来る。
その大抵は小競り合い程度で済んでいるけど、今年はデカい戦争になりそうだ。
全く嫌になるね。
「隊長? 何、空を見てボンヤリしているんです? 会議が始まっちゃいますよ?」
「ああ、済まない。 今行く」
「お、来たか。
では、軍議を始める。
今年は何時もより早くお隣さんが攻めて来る様だ。 恐らく雨季に入ったと言うのに全く雨が降らん物だから、我が国の水資源を狙いに来るんだろう――」
湖や川から水を引く?
一体どんだけ距離があると思ってんだよ?
汲んだ水を運ぶ?
腐るわ!
それにお隣が水不足になった原因は自業自得だろ?
金目当てに水が沢山必要な綿花の栽培を推奨して、増え過ぎた綿花畑じゃ腹は満たせないし、食える作物や更に儲かる綿花栽培の為に干拓やら灌漑をしまくった挙げ句に水が足りなくなった訳だ。
平野部が多いお隣さんは山からの水も足りてないし、天然の貯水槽である湖や泉なんかも干拓しちまって、完全に雨季の雨水だより。
それで、水資源か豊富なうちの土地を狙ってるって事なんだけど、あれか?
取り敢えず奪った、土地で作物を育てて、その分で浮いた水で生活しようってか?
何ともいじましい事だ。
「 ! 弟! 愚弟!!」
「何でしょう、姉上?」
「話を聞いていたのかっ!?」
「いえ、全く」
「……聞けっ!!」
「どうせ、今年のお隣さんの兵力が何時もの小競り合い程度では無く、大軍で攻め寄せて来てるって話でしょ?
それで、こちらの被害を最小限にして撃退する方法をあれやこれや延々と話をしていたんでしょ?」
「ぐぬぬぬっ、本当は聞いていたんじゃないのか!
それならお前の意見を言ってみろ!」
「それなら、代々続いたこの阿保らしい戦争をそろそろ終わりにする為に、お隣を滅ぼしてしまいましょうよ?」
「は?」
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