ダイヤモンドは、永遠の輝き

ダイヤモンドの雨が降る星、希少鉱物が価値を持つ世界といった設定は印象的だが、読み進めるほどに前に出てくるのは、人と人との距離感や、言葉にできなかった違和感の積み重ねだ。

語り手は、相手を一方的な悪として断罪しない。理解しようとし、感情を抑え、理性的であろうとした結果、かえって自分を追い詰めていく。その過程が淡々と、しかし誠実に描かれているからこそ、読者は簡単にどちらかの味方になることができない。
ダイヤモンドが「ありふれたもの」として扱われる環境に身を置くことで、かつて重すぎた象徴が静かに相対化されていく構図も印象的だ。

軽妙な会話やユーモラスな存在が挟まれることで、物語は重くなりすぎず、しかし最後には確かな緊張感だけが残る。
ロマンチックな題名に惹かれて読み始めると、その裏にある現実的な痛みと誠実さに、静かに胸を掴まれる。

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