祝福されぬ者の祝福=復讐。

元日生まれの主人公は、誕生日が巡るたび、自分は笑い者か厄介者のようだという認識を強めていく。
家族は当時の出来事を面白おかしく語り、「おめでとう」の言葉は新年を祝うためだけに発され、自分のためのケーキが用意されたことはないから。

手を加え、“身を削って”嵩を増した祝いの料理を貪る家族の片隅に所在なげにちょこんと座っている、その日の主役であるべき主人公の姿を思い浮かべると胸が痛い。

最後は歳神様の祝福を受けられたのだろうか。
そうであってもそうでなくても、十二年分の「おめでとう」を言いたくなる。

その他のおすすめレビュー

片喰 一歌さんの他のおすすめレビュー639