白い布切れ越しの日常。

 妻が死んだ。

火葬を終えて独りアパートへと帰り、
脱力感に苛まれ果てた抜け殻の様な身体が
喪服を着替える事も忘れて、畳の上に
座り込んでいる。

  二人で暮らすには少し手狭のアパート
いずれ、子供も生まれるだろう。
もっと広い家に住もうと考えていたのも
束の間のこと。

   白い布切れに覆われた 妻。

特売だったからと、台所で肉じゃがを
作る匂いがする。
 今日一日、全く何も喉を通らなかった。

 さあ、食べましょう。

       白い包みの向こうから。

 美味しい夕飯が並ぶ。妻が微笑む。
テレビのナイターが湧く。


  卓袱台の上には白い布に包まれた




          骨壷。


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