令和の世界から終戦直後の時代にタイムスリップした主人公。
いきなりの昭和には令和の便利な道具など何もなく、それどころか終戦直後の日本には何も無い。でもこの世界にはダンジョンがある。
どうやらこの世界は主人公の元の世界とは別の世界の日本のようだった。
特殊環境(特環)と呼ばれるダンジョンは入るだけで精神汚染が襲い、入れる人間は一握り。しかし主人公は別の世界から来たからか精神汚染の影響を受けず、ダンジョンに入ることができる。さらにはダンジョンによって生まれたスキルを使い、混乱する昭和日本を生き抜いていく……。
タイムスリップやパラレルワールドといったSF的要素からダンジョンというファンタジー要素、いろいろな要素が詰まった作品。
昭和の闇市など話に聞いたことくらいしかありませんが、そこの世界にいるような、埃っぽい、猥雑な空気感の描写が見事です。
ぜひご一読ください。
令和7年8月16日、主人公は亡き「フミ叔父さん」の唯一の相続者として、彼の所有する廃アパートで確認作業をしていた。
とその時に地震が発生、慌てて戸を開けて外へ出てみると……そこは昭和20年の8月16日、終戦直後の東京!
戻る手立てもなく、若かりし頃の叔父「夏東文丈」として昭和の生活を満喫(?)することにした主人公。
しかし、ただ過去の東京へとタイムリープしたのではなかった。
この世界線では、特殊環境(特環)と呼ばれるダンジョンが出現し、そこでの採掘作業が職業として成立しているのだ。
夏東文丈もまた、北千住に生じた特環での作業に駆り出されることとなったが……。
終戦直後の昭和……懐古的で粗暴で、他者との助け合いが何より命を左右する時代。
明日の生活もままならない中で、令和から来た主人公が戸惑いながらも、仲間を増やし、特環での作業や闇市で少しずつ身を立てていく展開が素晴らしいです!
そして特環というダンジョンの存在には驚きの連続でした!
通常の人間では耐えるのが困難なこと、特環内には矮鬼というゴブリンらしき生物が出現すること、特環にいると技能が生えてくること……。
昭和のレトロな世界観の中にありながらも「異世界系」ファンタジー要素として機能しておりますが、なぜか昭和の感じに見事にマッチしており、そこに作者様の巧みさを感じました!
主人公がチート能力という点も、魅力的です。
また、登場するキャラクターの個性が爆発しております!
敵も味方も、とにかく一癖ある人物……灰と化した東京を生き抜く力強さが伝わってくるようです。
最高に面白いです!
是非ともご一読ください!!!
とりあえず面白く読めます!!
紹介しどころがたくさんあって、どこをおすすめするか迷うだけで、別に物語は愉快なだけで難しくはありません。
ダンジョンスキルを手に入れた主人公が、レトロ粗野な昭和に馴染みつつ、
ヤクザに絡まれたり、美少女拾ったり、
物資が足りない中、闇市スローライフして
ダンジョン関連の共同会社起こしてカチコミ受けたりするお話です。
昭和の珍しい単語出て来ますが、主人公の中味が令和っ子なのでほぼ問題ありません。
足りない部分は、作者様の解説がつきます。
仲間が増えていき、登場人物達が段々味を出してくる裏で、ダンジョンの謎も少しずつ開かれていきます。
主人公のちょっと冷めた令和っ子視点が、物語を安心して楽しめる要因となって、ドタバタ(通常だと命の危険があること)をコメディとして眺められますし、レトロな懐かしさを感じることもできます。
乱暴な人はいますが、平和です。
敵と、友達になって、涙して虫を楽しんだり、、の場面とか。
一応、主人公側としては平和を志しているので、平和と言って差し支えないと思います、多分!
最初はダンジョン探索のお話かと思いましたが、ダンジョンものの作品がたくさんあるなかで、ダンジョンを足掛かりにして時代を探索するという新しい形態のお話だと思います。
兎に角不思議な物語です。
物語自体はとても整然としていて、登場人物たちも皆個性的に描かれていて、その点は作者様がこれまで示してこられた力量が、ここでも如実に示されています。
しかしこの物語のジャンルはと考えると…。
ファンタジーなのか、SFなのか、先の読めない展開はサスペンス要素も濃いし、次々と現れる謎はミステリーの匂いもするし、さらには主人公を取り巻くほのぼのとした日常はドラマのようでもあるし。
物語の基本はダンジョンを巡る冒険談なのですが、様々な要素が複雑に絡まってとても不思議な作品に仕上がっています。
作品のカラー自体は、主人公の性格と相まって、とても明るい雰囲気です。
読んでいて楽しく、次に何が起きるのだろうかとワクワクします。
皆様も、是非不思議な読初体験を味わってみて下さい。
終戦直後の昭和二十年・東京に、ダンジョンが存在する世界の物語です。
令和の日本から迷い込んだ主人公が、焼け野原の東京と〝特環〟と呼ばれるダンジョンの現実を生き抜いていきます。
――ただし、爽快な無双ものではありません。
現在、7話目まで公開&読了しています。
もしかしたら物語の全体像は、まだ見えていないのかもしれません。
正直、レビューを書くには早すぎる段階だとも思っています。
それでも――これは、いますぐにおすすめしたい作品だと思い、筆を執りました。
もともと私は木山喬鳥先生のファンで、別の連載作品を追っていました。
新作が始まったと知り、いそいそと読みに来たのですが……これが、最高に面白い。
スキルはある。チート能力もある。
それなのに、強さを消費できる社会がない。
お金を稼げても使い道がない。
ヒロイン的存在とキャッキャウフフ……そんな空気は一切ない。
あるのは、貧困、疲弊、現実、そして戦後の重さ。
「ダンジョンで無双して人生逆転」という文脈が、根こそぎ成立しない世界です。
(※今のところは、です。これから先は分かりません)
語り口は軽妙で、皮肉やブラックユーモアも多く、思わず笑ってしまう場面もたくさんあります。
主人公の行動や判断は、決して善人とは言い切れない。
その危うさが、この物語をただの異世界(異時代)ファンタジーに終わらせていません。
このまま書くと、短編小説一本分くらい語ってしまいそうなので、この辺で……。
とにかく、まだ読んでいなかったら、年末年始にぜひ読んでみてください!
あぁ……やっぱり人間 興奮してはいけませんね。
晴久のこのレビューは駄文になってしまいましたが、
木山喬鳥先生の『戦後元年 東京ダンジョン∇1』は、間違いなく名作です。
(気持ちが落ち着いたころに、レビュー書きなおすかもしれません)