だ、誰だ!? 「汚いフリーレン」とか言ってるのは!!!
- ★★★ Excellent!!!
読み進めていくと、どんどんミモザのキャラクターが癖になってきます。
主人公であるアラフォー男のアスナロ。彼のもとに、かつて一緒に冒険をしていたエルフのミモザがやってきます。
すっかり中年の顔になってしまったアスナロと比べ、ミモザは若い姿のまま。
……このシチュエーション、どこかで? と読み進める中で「誰か」の顔がふと脳裏をよぎってきます。
でも、ミモザは色々と身も蓋もない。「おっさん」なアスナロよりも、各段に中身が「おっさん」みたいになっているミモザ。もう色々と恥じらいもないような感じに。
あっちの「エルフの魔法使いさん」は年齢を重ねても「少女」な感じは失わず、あちこちで可愛がられていたというのに。
その辺の「対比」が連想されてしまうと、じわじわと来るものがあります。
それでも、この二人の空気感がとてもいい。お互いのことを熟知しているから、数年ぶりに会っても遠慮など全然なく、熟年の茶飲み友達のような感じでいられる。
この二人はこれからどうなっていくのか。人間とエルフで寿命は違うけど、「茶飲み友達」以上の関係になるのも悪くはないかもしれない。
降り続ける雨が、帰ろうとする足を止める。その雨が降り続ければ、変わっていく「何か」もあるのだろうか。