常夏の国での優しい恋物語

主人公の遠野さんは、タイへと国外への赴任が決まります。本人が望んだわけではなく、不安でいっぱいです。というのも、料理も口に合うか自信もなかったのです。
住居を決めるのに案内してくれた五十嵐さんは、どこか品のある女性。彼女は住居を決めたあと、お昼に誘ってくれました。その店の料理はおいしくて楽しい一時を過ごします。その後だんだん現地にも慣れた遠野さんは、五十嵐さんが誘ってくれた店にも通うのですが――。

しっとりと、登場人物たちが確かに息づいている。そんな印象を受けました。
五十嵐さんも遠野さんも、イメージしようと思わなくても頭のなかに思い浮かぶのです。

物語は静かに進みます。決して派手ななにかが起きるわけではなく、日常を綴られているのですが、それが心地よい。

五十嵐さんと遠野さんの人柄もよく、また、海外に出て不安な遠野さんの気持ちもよく伝わってきました。

人から言われた一言が、自分の気持ちを救ってくれる。そんな体験は誰もが1度はしたかもしれません。

遠野さんと五十嵐さんのこれからに幸あれと願わずにはいられない、そんな予感を抱かせてくれる素敵な物語でした。

オススメします。ぜひご一読下さい。