フロイト先生の真の姿に驚愕!……それでも彼は立派な心理学者でした!

時は世紀末ウイーン。
その街には後に『心理学』を学問として確立させる大人物、ジグムント・フロイトがいた……と、思いきや!
フロイトはウイーンには住んでおらず、普段は『地獄』にいたのだ。
人間としての姿は仮であり、その実、彼は『地獄の公爵』だったのである。
そんな彼はいま、『エクソシスト』たちの活動に悩まされていた。
彼らは悪魔祓いを職務とし、多くの悪魔を撃退、地上を清めている。
そこで、フロイトは同胞たちの安心して暮らせる方法を思いつく。
それは『心理学』を利用し、悪魔の存在を『妄想』として処理してしまうこと。
この方法で、多くの悪魔が助かるはずだった。
しかしある日、『エクソシスト』の活動を耳にして、現場に駆け付ける。
何やら「カール」という少年が悪魔憑きの状態になっているらしいのだが、そこで思わぬ事態に遭遇することに……。


設定から物語展開から、ほんとうに面白いです!
フロイトが実は『大悪魔』という設定、同胞である悪魔たちを助けるために『心理学』を利用するという発想、これには驚嘆するほかありませんでした!
そして、とあるエクソシストの活動現場に乗り込んでからのフロイトの災難は、もう爆笑に継ぐ爆笑の嵐です!
そこでは、『エクソシスト』あるあるが繰り広げられます。
フロイトが必死に『悪魔』は妄想であると説明する横で、そんなあるあるをされたら……これは笑わないではいられません!

また、なぜ『悪魔』が悪魔らしく振舞うのか……その大いなる謎に対する答えもしっかりと描かれており、謎解きとしても素晴らしいかぎりです!
そして、最後のオチがまさかの……!

エンターテインメントの極致のような物語!
是非ともご一読を!!!

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