悠久の時を歩んできた賢人の言葉に、ゆっくりと耳を傾けることの大切さ。

ある暑い日、主人公は百円玉を二枚ポケットに忍ばせたまま、ジュースを買おうと道を歩いておりました。
コンビニはあるのに、なぜか入りたくないと思い、自販機を探します。
別にコンビニが嫌いなわけじゃない、普段からよく利用している。
しかしその日、主人公はなぜかコンビニを避けて通った。
この気持ちは、何なのだろうか……。
そこで主人公は、「分からないこと」ならば「爺ちゃん」に聞いてみようと思い立ちます。
『最後の北京原人』、ペキンじいちゃんに――。


とんでもなく不思議な設定、なのにもかかわらずどこか懐かしい気持ちにさせてくれる、驚異の作品!
主人公の分からないことを、夏の土手に腰かけながら、のんびりと語って聞かせるペキンじいちゃん。
その内容はまさしく原人の生活そのものでしたが、その真意はなんとなく分かってくるのが、すごく心地よいです!
この感覚は、何かと忙しさのために「効率よく生きる」ことを目指してしまった現代人が失ってしまったものなのかもしれません。
すぐに答えを見つけようとはせず、ペキンじいちゃんのようにゆっくりと答えを見つけてみることが、今一番大事なことだと思えました!

すごくおすすめです!
是非ともご一読を!!!