概要
声を持たない命が、ひとの手の中で祈りになる。
光も音も知らない「わたし」は、触れられることで世界を知っていく。
縁側で雪解けを見つめる少女は、言葉少なく、やさしい指先で葉を与え続けた。
やがて「わたし」は繭をつくり、少女は「変わりたくない」とつぶやく。
変化を拒む心と、変わらねば終わる命。
白い部屋の静けさの中で、祈りは生かし、そして奪う。
声を持たない命が最後に残したものは、名もない白い祈りだった。
縁側で雪解けを見つめる少女は、言葉少なく、やさしい指先で葉を与え続けた。
やがて「わたし」は繭をつくり、少女は「変わりたくない」とつぶやく。
変化を拒む心と、変わらねば終わる命。
白い部屋の静けさの中で、祈りは生かし、そして奪う。
声を持たない命が最後に残したものは、名もない白い祈りだった。