丼の上の、真っ赤な宙

ラブストーリーです。それも壮大な。


おそらく正直な方なのでしょうな。主人公は愛想笑いが全くできません。
しかし、正直者が生きやすい世の中なのかというと、決してそうではないようで……
周りと違うからという理由で粗雑に扱われ、いじめられ、
輪に入れない。そんな生き方をしてきたのだと思います。

そんな彼女の恋人は、
真冬に短パンとタンクトップを着て、砂場で遊ぶおじさんです。

彼は宇宙人なのだそうです。

缶蹴りが好きなのだそうですが、私の想像だと缶蹴りって二人ではできないと思うので、ただ単に空高く間を蹴り上げることなのではないのかな? と思います。

それとかくれんぼ、

あとは、いくら丼とセックスが好き。

私が知っている中年男性のつまらない概念の、真逆をいかれる方にございます。


そんな宇宙人との生活の中で、彼女が覚えるいくつかの事。

産んであげられなかった命といくら丼。それから星。
それから、宇宙のどこかにあるという「言葉のいらない世界」



たった4千文字弱で、村上龍の作品を読んだ後のような感覚。

二人きりの公園から、宇宙へ飛び立つ空き缶。

これぞ、スペースラブストーリー。




ご一読を。



















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