自然が、神から人のモノに変わって……
- ★★★ Excellent!!!
今年の一文字が「熊」に決定した時、自分の目を疑いましたな。
なんて悲しい一文字なのだろうと。
何かのバランスが崩れれば、何かはどちらかに傾くものにございます。
例えば、美味しいからと言って偏った食生活を続ければ病気になります。当たり前ですよね。
面倒臭いからと言って運動を怠けたら、それも病気になります。これも当たり前ですよね。
ではスケールを個人ではなく環境に置き換えてみましょう。
熊の住む地に勝手に人間の施設をたてて、どんぐりの木を伐採したらどうなるか。
……火を見るより明らかですよね。
当たり前のことを人間は、災害だと言って騒ぐのです。
物語の始まりは、スキー客が熊に遭遇したところから始まります。
怪我を負いながらも役所に逃げ延び、「熊に襲われた」と言います。
それが、本当の悲劇の始まりでした。
熊には懸賞金がかけられ、
熊を撃てば動画がバズると囁かれ、
遠方からも雪国に、関係のない人間が集まり……ハンティングが始まるのです。
この地に住む、森の声が聴こえるものたちは、この悲劇を止めることができるか……?
ぜひご一読を。そして、皆様なりの答えを見つけていただけたのなら幸いにございます。