新年から寒中へ移ろう季節感を、軽やかなユーモアと現代性で束ねた句群
- ★★★ Excellent!!!
新年から寒中へ移ろう季節感を、軽やかなユーモアと現代性で束ねた句群だと感じました。
元旦・正月・寒の入・春隣と、時候の配置が明確で、読者は自然に時間の流れに乗せられます。一方で「宇宙旅行」「スマホの鍵盤」「リアル&ファンタジー」といった現代語・外来語が効果的に混ざり、伝統的な季語と日常のズレが心地よい余韻を生んでいます。
動物句(犬・寒鴉・かもしか・雪兎・獏)が多く、家族や孤独、温もりといった感情を直接語らずに背負わせている点が印象的です。「犬かこみ家族三人初写真」「コート着せらる犬の顔」などは、写生の中に愛情がにじみます。
また「寒燈や文字を味はふ純文学」「漱石の心理小説」といった句からは、読むこと・考えることの静かな喜びが伝わり、とても楽しい気分になりました。