明日使える「モブ専ギルド」の美学

 巷には美男美女、スーパーなキャラクターが活躍する物語があふれていますね。
 が、本作はモブの渋い生きざまに迫ります。

 読みすすめるうち、昔聞いた人生哲学を思い出しました。
 人間だれしも「わたし、あなた、その他大勢」の三つの役割があるのだ、と。
 自分の人生の主役であると同時、だれかの相方。かつ名もなき外野ともなっているという話です。

 華やかな主役に憧れがちですが、その他大勢もかけがえのないもの。
 だって「モブ」の毎日、こんなに魅力的なのですから!
 
 そのハードボイルドな背中に酔いしれるとともに、ちょっと楽になれるかも?

 ストーリーの面白さに加え、明日につながる美学。
 つまり、いい物語ってことです。
 オススメします!


 まあ「彼」は、こうして注目を集めるの、望まないんでしょうけど……