えっと……どーうしましょう……。
なんだかぼうっとして、ちゃんと書けるかわからないので……ここで「読んでみてください」とお伝えしておきます。
30年前からあまり変わらないようで、確実に変わっている主人公。
諦めたから、なくしたからわかること。
でも諦めたから、なくしたから、言葉にならない。
言葉にならないから、なにも──。
そこに、ひとつの飴玉を。
あざやかな青の飴玉で、変わらないものが、変わらないまま、変わるのです。
10代の少年と40代の壮年の、おなじ言葉による、まったく違う叫び。
美しい哀愁のただよう、情熱の滲んだ物語です。
ぜひ。
主人公はかつてライブハウスで「デスペラード」を歌い、酷い結果に終わってしまった。
時は流れ、妻には冷たくあしらわれ、息子は話を聞いてくれない日々。
そんなある日、知人から助けを求められて……。
若い頃は、大人からの耳の痛い言葉なんて聞きたくなかったのに、歳を重ねると自分が「聞き入れられることのない言葉」を発する方になっている。
あの頃の自分に、言葉が届いたら、今の自分は違う生き方ができたかもしれないのに。
誰もが一度は、そんなことを思うのかもしれない。
では本当に、言葉を届けることができたら……?
変わるのは過去か、今か。不思議なセッションを、ご堪能ください。
無味乾燥な街から抜け出すべく歌手を目指した三十年前。
チャンスはめぐってくるものの、自分の力を過信しすぎてしまいました。
結局のところ夢はやぶれ、ただただ時間を過ごすばかり。
妻には頭が上がらず、息子とも心が通じない。
俺の人生、無駄だ。なんの意味もない。
あのワンステージさえモノにできていれば。
もうこうなったら、残りはただの消化試合。
鬱屈した毎日の中、一つの話がやってきます。
ピアノを弾いてくれないか、と。
聞けば聞くほど、三十年前の状況に酷似しています。
ピアニストに立場を変え、自分そっくりなヴォーカルを支えるという点以外は。
このステージ、なんとしても成功させたい。
あのヴォーカルには同じ思いをさせたくない。
彼の魂の再演がもたらすものは――――
しみじみとした読後感。
「意味」を考えてみるといいでしょう。
「これ、なんかカッコいい」
読み終えた後、多くの人がおそらくはそう感じることでしょう。うまく言葉にはできないけど、なんかカッコいいものを見た。そう思わせてくれる作品です。
主人公は現在、鬱屈とした日常を送っている。息子は協調性のない人間で手を焼いている。妻にはそれを叱るよう言われるが、自分も似たような人間なのでうまく叱れない。
彼はかつて音楽の世界で名をなそうとしていたが、とにかく「自分」や「周り」がまったく見えていなかった。そのために「なんか凄い奴」な自分を世に知らしめてやろうなって気持ちばかりが専攻し、バンドの演奏なんてろくに聞かずに歌だけ暴走させて、結果大失敗ということに。
そうして時が経って中年になった彼のもとに、「ある話」が舞い込んで……。
作中で出てくるイーグルスの「デスペラード」の歌詞がとにかく強烈にカッコいい。それに象徴されるような「何か」を抱えていた彼。
ただの「救い」でもなく、「再起」でもない。それでも過去に向かい合って、その中で「何か」を確実に掴み取るような。
「過去は過去で、もうどうしようもない」、「ファンタジーな救いなんて存在しない」。だけど「何かを掴むことはできる」という。
そういう苦みや痛みを抱えたままでちゃんと前に進む感じが描き出されたようで、じわじわと胸が熱くなる一作でした。
次の少女の飴で、彼は何を掴むのでしょうね。
きっと奇跡が起こるに違いない。そんなワクワクを感じるエンディングでした。デスペラードを聴きたくなる作品。
大人が若者に愛をもって伝えたい。それは、自分へのメッセージ
自分も同じように未熟でトゲトゲして、大切なものを失った経験があるから。しかし、あの時にしか持てなかったものは希望や夢、未来だった。
若者にいくら何を言っても、伝わらないのは、
大人の失ったものが見えるから。
しかし、ダイヤのクイーンを選ばないでと言っても、選ぶのが若者
Desperado, oh you ain’t gettin’ no younger
ならず者よ、若返ることなんてできないんだ。
You better let somebody love you
きみは愛を知るべきなんだ。
過去はやり直せない。
だが、過去と向き合うことはできるのかもしれない。
夢に傷ついた男が、もう一度音楽と向き合い、
自分の人生の意味を問い直していく物語。
派手な奇跡は起きない。
あるのは、静かな再会と、少しの勇気だけ。
それが胸に、深く、長く残る。
――大人のための、誠実な音楽ドラマ。