世界一食い意地の張った国、日本
- ★★★ Excellent!!!
外国人は度々、日本の食に対して「Crazy」と称します。
見た目が奇妙でグロテスクな類であるタコやナマコに始まり、棘だらけでおおよそ食べられそうにない見た目のウニ、魚の精巣である白子、腐敗した豆である納豆、手間暇かけて毒抜きした割に対してさほど栄養価もないこんにゃく、完全に見た目は木材で「世界一固い食べ物」である鰹節、他国ではサルモネラ菌による食中毒の危険性が高い生卵、そして毒魚であるフグ。
国際ジョークの中にも「エイリアンが攻めてきても日本人は醤油をつけて食べる」とか言われてるレベルです。
それくらい「訳の分からないものでもとりあえず食ってみよう」が先に来た結果、日本の食文化は実に多岐にわたって花開きました。
とにかく、国レベルで食事に対する執念が凄まじいです。
食べ物を粗末にした瞬間日本人は鬼になりますし、一方食料資源絡みで国際的な逸話を残した例は、モーリタニアのタコやロシア・ノルウェー間のカニ、ソマリアのマグロなど、なかなかに幅広いです。
食の研究にも熱心で、ウナギやマグロの研究は勿論、養殖フグの無毒化なんてのも度々話題に上がったりします。
我々日本人が飯狂いになったのは、おそらく日本という国の立地条件が原因でしょう。
国土の約7割が山林で、活用できる平地が少ない。
おまけに河川は短く流れが急で、滝のようだと称される。
地震や台風などの自然災害も頻繁に起こり、その上高温多湿で食べ物も傷みやすい。
要するに生活環境がハードモードすぎて、めちゃくちゃ食べ物の存在が貴重だったと考えられるわけですね。
とりわけ米への執着は神聖視レベルといってもよいでしょう。
とにかく、厳しい食糧事情から、あるものは何でもとにかく食ってみる、今は食えなくてもいつか必ず食ってみせる、という異常な執念を見せるようになったわけです。
そんな日本人でも、「奇妙な食べ物」として首をかしげること間違いなしの食べ物が、フグの卵巣を謎の独自技術で奇跡的に無毒化してしまった「フグの子糠漬け」です。
フグの卵巣なんて日本人でも激烈にヤバいことなんて周知の事実です。
にもかかわらず、卵巣の無毒化に成功させてしまっているのです。
現代科学においても無毒化のプロセスが解明できてないという、ある種オーバーテクノロジーの産物です。
日本人の食い意地の極みです。
どうしてそこまでして食いたいんだ。
美味いのか。
美味いんだな。
そうかそれならしょうがない。
私も食いたいから食わせろ。
世界で最も奇妙な食事情の国日本の、最も奇妙な食べ物。
そこに書ける思いの丈が、ユーモアたっぷりに語られています。
皆さんも今一度不思議な国の食べ物について、一緒に考えてみませんか?