朝に始まる終わらない、連続リピート小説
- ★★★ Excellent!!!
この物語、本当に不思議でクセになる世界観ですよね。読み始めた瞬間から「朝」のループに引き込まれ、次は一体どんな姿になるんだろう…と、ページをめくる手が止まりませんでした。天道虫から始まり、看護師の女性、鳩、果ては核ミサイルや鬼百合まで。
どんな形でも“私”は朝を迎え、淡々と状況を受け止めつつも、そのたびに現実の理不尽さや生きることの不条理が鋭く描かれています。特に、命のはかなさや偶然性、そして一見意味のなさそうな出来事にも、どこか繋がりや優しさが潜んでいることを感じさせてくれました。
SFやファンタジーが好きな人はもちろん、日常に少し違和感を感じてみたい人、哲学的なテーマに興味がある人にもぴったりだと思います。少し皮肉でシュール、でもどこか温かい。そんな独特な世界を体験したい読者に、ぜひおすすめしたい一作です!