読み終えた後も終わらない物語……真実と人間を描いた衝撃作

本作は、医療サスペンスとヒューマンドラマ、そして社会的テーマが極めて高い完成度で融合した、唯一無二の物語です。

狂犬病という現実に根ざした題材を軸にしながら、家族愛、倫理、信頼、そして人の「善意」と「狂気」が幾重にも重なって描かれていきます。

一見すると救済の物語に思えたものが、読み進めるほどに静かな違和感を孕み、やがて読者の価値観そのものを揺さぶってくる構成は圧巻の一言で。

キャラクターたちは誰もが人間らしく、正しくあろうとしながらも脆く、その選択一つひとつに強い説得力があります。

終盤にかけて明かされる「真実」は決して派手な展開ではないのに、背筋が冷えるほどの衝撃を残し、読後も長く心に居座ります。

エンタメとしての読みやすさと、考えさせられる深さを両立した、間違いなく記憶に残る一作です!

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