生と死、そのあいだで「信じる」ことを描いた巡礼譚
- ★★★ Excellent!!!
本作は、温かな空気感と重厚なテーマが絶妙に同居する、非常に読み応えのあるファンタジー作品です。
可愛らしい掛け合いや旅情あふれる描写に心が和む一方で、「信仰とは何か」「生と死をどう受け止めるのか」といった深い問いが、物語の奥底で静かに、しかし確かに息づいています。
特に印象的なのは、神霊たちの存在です。人知を超えた力を持ちながらも決して万能ではなく、自然や循環、そして人の想いを尊重する姿勢が一貫して描かれており、単なる勧善懲悪に終わらない厚みを感じました。
また、旅の中で少しずつ変化していくキャラの心情や、迷いながらも前を向く姿には、思わず胸を掴まれる瞬間が何度もあります。
優しさと残酷さ、希望と絶望が隣り合わせの世界で、それでも「想い」が道を照らす……そんな物語が好きな方には、ぜひ手に取っていただきたい一作です。
読み進めるほどに、この巡礼の行き着く先を見届けたくなること間違いありません!