必要なのは、記録か? 記憶か?

スワンプマン問題。

ある日男が、沼の近くで雷に打たれて死んでしまう。
しかし、雷のエネルギーと、沼の物質によって、『全く同じ記憶、構造、分子』を持つ男が誕生する。
……が、この男は、本当にこの男と呼べるのだろうか……?



物語の世界線は、ついにAI技術が発達し、『死者』とも会話できる時代。
その名も『メモリア・プロトコル』

幾度もテストを重ねたそれは、ほとんど本人と呼んでも遜色ないレベルにまで進化していた。
主人公リナは、亡くした恋人ダイゴと、今はこの『メモリア・プロトコル』にて会話をしている。



ここにいれば、ダイゴに会える。
ダイゴと同じ記憶を持った、リナを愛してくれるダイゴに。


しかし、ある日異変は起きた。


ダイゴが、アップデートを拒んだのだ。
それは、プロトコル上から、彼の存在が消えることを意味していた。




いつまでも続くはずだったバラ色の時間。
それを、彼自身が終わらせたいと願ったのは一体なぜなのか。



それは、記録と記憶を秤にかけるような……

人間らしさとは? 感情とは? と、読者に問いかける物語……。





感動しました。

ぜひ、ご一読を。












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